チョコドーナツの読み聞かせボランティア記録

子どもたちへのおはなし会の記録です

おはなし会の記録(小学校や児童館等での絵本読み聞かせ、紙芝居、素話など)

今年度13回目の児童館おはなし会

Oさん◯ 紙芝居 『なぜクリスマスツリーをかざるの?』 岩倉千春/脚本、アリマジュンコ/絵

Oさん◯ 絵本 『ゆきおとこのバカンス』 白鳥洋一

私  ◯ 素話 『葉のない木と葉のある木』岐阜県の民話

私  ◯ 絵本 『なーちゃんとおおかみ』 多田ひろみ/作、柳生弦一郎/絵

 

 日が短くなった。4時でももう暗くなっている。お集まりをして歌を歌ってからおはなし会。子どもたちは結構多くて、54人。

 

いつものようにOさんから。

『なぜクリスマスツリーをかざるの?』

なぜ、クリスマスツリーをかざるの? (なぜ?どうして?たのしい行事 (クリスマス))

 クリスマスの季節には魔物たちが動き出すんですって。お化けや魔女がメアリーのうちにやってきた。どうしたらいい?

 クリスマスツリーの意味を、キリスト教的なものからちょっと距離を置いてわかりやすく話している。

 地味な話とおとなしい絵だが、子どもたちは静かに集中して見ていた。

 

『ゆきおとこのバカンス』

ゆきおとこのバカンス

 冬しか知らないゆきおとこが、バカンスに夏を体験しに出かける。単純なストーリーだが、とてもわかりやすいはっきりした絵で、迫力がある。

 子どもたちは「バカンス」の意味はわからなかった様子。あと、最後のゆきおとこの強がりの発言の意味もわからなかったかな。

 

ここで私に交代。

『葉のない木と葉のある木』

 楢の木の絵、松、杉、桧の木の絵を持って来て、見せながら語った。

 スズメとカラスが一夜の宿を貸して欲しいと楢の木に頼むのに、楢はお高くとまって、そんな下等な鳥に宿は貸せないという。神様が間に入って頼んでもだめ。

 仕方がないので松、杉、桧に頼むと快く宿を貸してくれた。

 だから、神様は楢の木は冬には葉がなくなるように、松、杉、桧は冬でも青々と葉が茂っているようにしてやったという。

 絵を見せながらだったので、よく分かってくれたと思う。

 

『なーちゃんとおおかみ』

なーちゃんとおおかみ (こどものとも700号記念コレクション20)

 これはオオウケ!

 まず、絵が楽しい。なーちゃんが裸んぼなのも楽しいらしいし、オオカミもユーモラス。

 オオカミが、石鹸だらけのなーちゃんを捕まえようとするたびに「つるん」と抜けてしまうところや、お湯をオオカミの顔にバシャっとかけるところなど、大笑いだった。

 とっても可愛くて楽しい絵本。

 

 20分ぐらい。

朝の読書タイム:2年2組(第3回)

◯ 絵本 『おめでとうおばけ』あらいゆきこ

◯ 絵本 『ふゆのおばけ』 せなけいこ

◯ 絵本 『こんにちワニ』 中川ひろたか/文、村上康成/絵

 

 数日前から風邪をひいてしまい、声がガラガラ。それで、ガラガラ声に合う絵本(恐いものが出てくるもの)を、と思い、おばけの絵本を揃えた。ひどい声も前向きに利用しなきゃね。

 

 先生がいらっしゃる前から「今日読み聞かせなの?」と子どもたちはノリノリ。いい感じだった。

 

『おめでとうおばけ』

おめでとうおばけ

 コンコンコンとドアをノックして、変なお化けが次々現れる。そして「たろちゃんのおいわいにきましたよ」と。誕生日でもないのに。

 次から次へといろんな派手なお化けがやってくるので、子どもたちは「またぁ?」「おかあさんの顔も変!」などと言って楽しそう。

 最後はおかあさんの一喝でおばけたちは退散する・・・!おかあさん、強いなぁ。「みんなのおかあさんは強い?」と聞くと「弱い」「強い」といろいろな答えが返ってきた。

 

『ふゆのおばけ』

ふゆのおばけ (こどものくに傑作絵本)

 こっちは、落書きのおばけが飛び出してきて、おばけの国に連れて行ってくれる。そこで、おばけたちと雪合戦したりして楽しく遊ぶ話。

 大入道の鼻の穴に雪玉が入ったところでは笑いが起こった。次に大きなくしゃみが来ると予想できたみたい。

 

『こんにちワニ』

こんにちワニ (わははは!ことばあそびブック)

 最後の締めはやっぱりこれ。みんなで唱和して終わりに。先生は慣れていなかったらしく、くすくす笑っていた。

 

 10分。

 

 

朝の読書タイム:6年2組(第2回)

◯ 絵本 『水たまりの王子さま』 山崎陽子/文、安井淡/絵

 

 さすが6年生、先生がまだいらっしゃらないのに、きちんと全員席について待機していた。

 今日の本は実は11分近くかかるので、ほんの少し早く始めた。

 

『水たまりの王子さま』

水たまりの王子さま

  まず、前提として『幸せの王子』の話を知っているかどうか聞いてみた。手をあげてもらうと、知っている子は半分弱だった。ちょっとだけ説明をしてから、この本を出す。

 これは3年近く前に児童館で読んだことがあるので、覚えている子がいるかどうか聞いてみた。3年生の頃に聞いたとしても、今は6年生だから、もう覚えていないだろうと思ったら、数人手をあげたのでびっくりした。 chocolate-doughnuts.hatenablog.com

 スリの男が、足の不自由な少女と知り合って交流する話。

 みんな静かによく聴いてくれた。私も感情が高ぶって危うくなみだぐみそうになってしまった。

 読み終えるとちょうど時間だった。思わず「朝からしんみりした話ですみません。今日も元気に過ごしてください」と言ってしまったら、先生がクスっと笑った。

11分。

今年度12回めの児童館おはなし会

Oさん◯ 紙芝居 『ヒョウのあたらしいいえ』 降矢洋子

Oさん◯ 絵本 『どんどん どんぐり』西沢杏子/文、飯村茂樹/写真

私  ◯ 素話 『この正直者め!』 日本昔話

私  ◯ 絵本 『はいいろこくの はいいろひめさま』 佐々木マキ

 

 4時からということだったが、子どもたちに外で一走りさせてから集合させていたため、実際に始まったのは4時15分頃。もう暗くなりかけていた。寒いのに子どもたちは元気が有り余っている様子。

 

『ヒョウのあたらしいいえ』

ヒョウのあたらしいいえ―アフリカの民話 (ともだちだいすき)

 「いかにも真面目っていう内容なんだけど、絵がすばらしいので持ってきたの」とOさん。確かに素晴らしい絵だ。無知な私は知らなかったのだが、降矢洋子さんは降矢ななさんのお母さんだそうだ。

 最初の画面からして、ヒョウの顔がドアップになっていてすごい迫力。その後、いろんな動物たちが出てくるが、どれも結構リアルで美しいのに、服を着てクワを持って働いていたりして、そのギャップがおもしろい。

 特にカバが印象的で、子どもたちも「カバ!」「カバ!」と反応していた。

 お話は、いかにも教訓的。自分が王様だと威張って、他の動物たちに家を作らせたヒョウは、出来上がるとお礼も言わずに動物たちを追い出して家の中で昼寝を始める。動物たちは苦労して家を作ったのに感謝もされないので悔しがって泣く。すると、そこへゾウがやってきて・・・

 子どもたちはお話よりも絵に興味があったみたい。

 

『どんどん どんぐり』

どんどん どんぐり! (エコ育絵本 ちきゅうのなかまたち)

 写真と説明が満載の科学絵本。Oさんは全部読むのではなく、抜粋して読んでいたようだ。それでも結構長くて説明的な文が続くので、子どもたちは最後の方では飽きてざわついてきた。前の方の一部の子はそれでも食いついて一生懸命見ていたのだが、後ろの方からは写真もよく見えなかったから飽きてしまったのだろう。

 

『この正直者め!』

 ここで私に交代。しっかり顔を見て素話に入る。「きっちょむさんって知ってる?」と聞くと、誰も知らないとのこと。「昔の人だよ」というと「坂本龍馬?」「伊達政宗?」などと知っている”昔の人”の名前を競って挙げてくる。

 なんとか収めて話を始めた。

 関所の悪い役人は、通行人が酒を持っていると、調べると称して必ず飲んでしまう。そこで村人たちからその役人を懲らしめて欲しいと頼まれたきっちょむさんは一計を案じる。まず、徳利に酒を入れて関所を通り、「これは・・・小便です」と言う。役人は匂いをかいで酒だと見抜き、飲んでしまう。2~3日後に、きっちょむさんはまた徳利を持って関所に・・・

 子どもたちは「小便」という言葉が出るだけで大喜び。なんなんだ、これは。役人がまんまと小便を飲まされたところでは、みんな「おぇ~」と言っていたが。

 

『はいいろこくの はいいろひめさま』

はいいろこくのはいいろひめさま

 私の大好きな佐々木マキさんの絵本。はいいろこくのはいいろひめさまは、はいいろ。そこへ赤いネコが遊びに来て・・・とどんどんいろんな色の動物が集まって出かける。

 あそんで さわいで ひがくれて・・・

のところで「どうやって帰るの?」と言った子がいた。やっぱり子どもは帰りたいんだな。でも、この絵本の最後はなんと、

 よるになったら まっくろの くろ

なのだ。

 

 20分ぐらい。

 

朝の読書タイム:4年2組(第3回)

◯ 絵本 『まんまるねこダイナ』 西村香英

◯ 絵本 『むらの英雄』 わたなべしげお/文、にしむらしげお/絵

 

 昨日と交換で、今日は4年生。担任の先生は厳しい声で用意の遅い子や別のことをしている子をたしなめていた。

 

『まんまるねこダイナ』

まんまるねこダイナ

 小さな子猫だったダイナは家族みんなに甘やかされて、すっかりまんまるのデブに。 家から出たことがなかったダイナが窓から外の世界をのぞいてみようとすると、窓が開いていて外に落ちてしまう。

 ダイナは出会ったものたちに、タヌキと言われたり、スイカと言われたりするが、自分が誰だかわからない。ダイナの自分探しはどうなるのか。

 これは、絵も大胆でおもしろいし、ちょっと考えさせられる話なのだ。でも、今品切れ中。このまま絶版になってしまうのかな。もったいない。

 

『むらの英雄』

むらの英雄 (エチオピアのむかしばなし)

 これは高学年向きだと思い、何度か読んでいるが、なかなかこの面白さを分かってもらえなかった。

 

chocolate-doughnuts.hatenablog.com

子どもって、転んだり、変なものが出てきたり、おかしな言葉だったり、そういうのはよく笑うのだが、この絵本のようにちょっとひねった面白さはなかなかわからないようだ。

 12人の男たちがみんな自分を数えるのを忘れて「11人しかいない」と言い出し、そもそも存在しない「行方不明になった男」について、どんどん想像をふくらませていくというおかしさ。

 ところが、今回初めて何人かの笑い声が聞こえた。嬉しかった。

 

 『むらの英雄』を読み始めて少しすると、担任の先生が何か黒板に書き始めた。私の横で。私は無視して続けたが、内心ムッとした。気が散るじゃないか。

 でも、多分先生は次の予定が気になって、じれていたのだろう。私にあhプレッシャーになり、早口で読むことになってしまった。それでも1~2分オーバーしちゃったかも。こういうのって、気まずいなあ。

 

12分? 

「なんさい」の絵本

今朝、隣のクラスで読み聞かせをしたSさんが持ってきた絵本を見せてもらった。「なんサイ?って尋ねていくダジャレの絵本だよ」というので、私は一瞬、別の絵本を思い浮かべた。正直言って、私が受け入れがたいやつ。

 

『いま、なんさい?』 ひがしちから

いま、なんさい?

 今日が5歳のお誕生日のゆきちゃん。みんなに知ってほしくて、「わたしは、いま、なんさいでしょうか?」と聞いて回る。

 でも、大人達はわざと「はくさい」「ぼんさい」「おならくさ~い」などとダジャレでからかう。

 それがおもしろいのかもしれないけれど、私はゆきちゃんがかわいそうでたまらなかった。1回ぐらいなら笑って済ませるのかもしれないけど、ここまで執拗にはぐらかされると・・・。ゆきちゃんは真剣なのに、大人がイジメているような感じ。結局ゆきちゃんは泣いちゃう。最後に「お誕生日おめでとう!」って種明かしされても、(私がゆきちゃんなら)その前の悲しみは上書きされないと思う。

 それでも、この絵本は大人にも子どもにも喜ばれているらしい。私は、好きになれない。

 

 Sさんが持ってきたのは、それとは違う絵本だった。

『ママ、なんサイ?』 越智あやこ/文、丸山誠司/絵

ママ なんサイ?

 これは、女の子がママに歳を尋ねる話。ママは答えたくないのだろう、ダジャレではぐらかすのだが、そのダジャレには、ちゃんとストーリー性があっておもしろいのだ。

 幼稚園から帰ってきた場面から始まり、お母さんは料理しながら「てんサイ」(料理の天才なんだね)と答える。でも、その後「こげくサイ」って焦がしちゃうし、「かつしかほくサイ」で浮世絵の波が出てきたと思ったら、次はその波でサーフィンをして「はくしゅかっサイ」だって。そんな風に、女の子も一緒にダジャレの世界で大冒険しちゃうのだ。

 最後の場面では、ママがこっそり耳打ちしている絵があり、ああ、ここでホントの歳を教えてるのだなと思う。

 私はこの絵本は大好き。

 

朝の読書タイム:5年2組(第2回)

◯ 絵本 『わたしのせいじゃない ーせきにんについてー』 レイフ・クリスチャンソン/文、ディック・ステンベリ/絵、にもんじまさあき/訳

◯ 絵本 『からすたろう』 八島太郎

 

 今日は4年生の予定だったのでいろいろ悩んで選書してきたのだが、今朝行ってみると突然「明日と交換で、今日は5年生お願いします」と言われてしまった。え~っ?!と思ったが、気がついたら「はい、わかりました」と答えていた。

 いつものように2階の図書館に寄ってみる。「新しい本」のコーナーに目を引く絵本があった。その場で読んでみると、絵本なのに内容はかなり重くて深い。これ、今日どうかな?というわけで、急遽お借りして5年生に読むことにした。

 教室に入ると、さすが5年生、落ち着いて席に着き、姿勢もいい。

 

『わたしのせいじゃない ーせきにんについてー』

【大型判】わたしのせいじゃない せきにんについて

 これは、20年読み継がれているもので、今回新装版が出たのだそうだ。絵も文もシンプル。

 一人の男の子が泣いている。クラスの子どもたちはそれぞれ「わたしはしらない」「おおぜいでやってたのよ ひとりではとめられなかった」「ぼくもたたちた でも ほんのすこしだけだよ」と責任逃れの言い訳をする。

 そして、最後に実際に世界で起こった恐ろしい悲しい出来事の白黒写真。

 みんなシーンとして聞いていたけど、どう感じたのかな。朝、一日の始まりにこんな重い絵本はふさわしくないのかもしれないけれど・・・。

 

『からすたろう』

からすたろう

 これは、ずーっと昔の、実話を元にした絵本。まだみんな着物を着て学校に通っていたころ。

 1人の風変わりなチビの子がいた。みんなに「うすのろ」とか言われ、いつもひとり除け者にされていた。

 でも、6年生になったとき、いそべ先生が担任になり、チビに大きな影響を与える。

 この話もテーマは似ていて重いけれど、ハッピーエンドなので、良かったと思う。

 普通なら、口直し(?)に定番絵本を一冊読むところなのだが、今日は時間切れでこのまま終わり。

 

 10分。