チョコドーナツの読み聞かせボランティア記録

子どもたちへのおはなし会の記録です

おはなし会の記録(小学校や児童館等での絵本読み聞かせ、紙芝居、素話など)

2017年度17回目の児童館おはなし会

Oさん◯ 紙芝居 『まっくろけのうし』 小野和子/脚本、岡村好文/絵

Oさん◯ 絵本 『このあしだあれ?』 ネイチャー&サイエンス/編

  私◯ 素話 『メス牛とライオン』 インドの昔話

  私◯ 絵本 『ひょうたんめん』神沢利子/文、赤羽末吉/絵

 

 日曜日に市民図書館で会った女の子、「Kさん!」とちゃんと名前を読んでくれて、「いつも児童館でお話してくれてありがとうございます」だって。なんて立派なご挨拶。嬉しかった。

 だんだん日が長くなってきて、4時といってもまだ明るい。でも、外で遊んでいた子どもたちも中に集合して行儀よく並んで座った。

 いつものようにOさんから。

 

『まっくろけのうし』

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 二人の絵描きと絵の勝負をすることになった男。絵描きたちの絵のおかしなところを指摘する。その部分、次の場面を半分ひいて、二つの絵を比較できるようになっていてわかりやすい。絵本ではできない、紙芝居ならではの利点だ。

 そして、その男が描く番になると、全面真っ黒に塗ってしまう。その画面は真っ黒そのもので、迫力がある。そして、闇夜に黒牛が寝ているところだ、と。

 みんな引き込まれていた。

 

『このあしだあれ?』

このあしだあれ?: はじめてであう いきものの ふしぎ (はじめてであういきもののふしぎ)

 次は参加型の絵本。表紙を見せるなり「ネコ~」「ネコ!」と大興奮。いろんな動物の足が出てきて、難しいのも結構あるのに、ほとんど当てていた。

 この表紙の足は、実はネコではなく、トラ。「ああ、トラもネコの仲間だからね」と言う子も。

 ナマケモノの足やダチョウの足を即座に当てるのには驚いた。よく知ってるなあ。

 1~2年生が大興奮で大声で答えるのに対して、3年生になると、むしろ落ち着いている。答えはわかっているんだろうけど。

 

そんな大騒ぎの中、私に交代。

『メス牛とライオン』

 紙芝居の牛つながりで、牛の昔話を選んできたのだが、これはちょっと失敗だったかも。ライオンに食べられそうになった牛が、子牛におっぱいを飲ませて戻ってくるから、と約束して帰らせてもらう。牛はそのまま逃げればいいものを(まるでメロスのように)約束したから、とライオンのところへ食べられに戻る。子牛までも。

 結末がちょっと不自然で、「おしまい」と言っても、「?」という感じだった。

 

『ひょうたんめん』

ひょうたんめん

 1984年に発刊されたものだが、これは復刊ドットコムによる新装版。赤羽末吉さんの絵はやっぱり素晴らしい。

 「ひょうたんめん」はお化けというか妖怪みたい。塩を買って帰る男を襲い、初めは塩を食べ、次に馬を食べ、最後にその男を食べるためにまた追ってくるが・・・。

 最後はもちろん、めでたしめでたしなのだが、すごい迫力だった。

 「怖かった?」と聞くと、子どもたちは「全然」「おもしろかった」とのこと。

 

30分ぐらい。

 

朝の読書タイム:3年1組(第4回)

◯ 絵本 『あずきの あんちゃん ずんちゃん きんちゃん』 とみなが まい/文、植垣歩子/絵 「こどものとも」2018年3月号

◯ 絵本 『かぞえうたのほん』 岸田衿子/文、スズキコージ/絵

 

 みんな体操着に着替えた状態で待っていた。ひとりか二人、準備が終わっていない子がいて、ちょっとだけ待ったけど。

 

『あずきの あんちゃん ずんちゃん きんちゃん』

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 月刊「こどものとも」の最新号。

 お手玉からこぼれ出た小豆の3兄弟の冒険物語(?)。この3人の性格がそれぞれで、言葉遊びの詩のように調子よく語られるので楽しい。特に、末っ子のきんちゃんが「あずきの きんちゃん きがながい」、カラスに食べられても「けれど きんちゃん きにしない」と言うので、子どもたちもクスリと笑っていた。

 最後は土に落ちて芽を出し、たくさんの小豆を実らせる。想像通りの結末。

 終わってから「小豆を育てたことのある人いる?」と聞くと、いなかったが、先生によると大豆はみんなで観察しているそうだ。

 

『かぞえうたのほん』

かぞえうたのほん (日本傑作絵本シリーズ)

 思ったより時間が余ったので、次をどれにしようかちょっと焦った。

『わたしとわたし』を出したけど、このクラスで前回読んだものだったのでやめて、定番のこれにした。

『かぞえうたのほん』こそ何度も読んでいるのだけど、これは定番って決めているから、何度読んでもいいことにしている。勝手かな? でも、大人になっても覚えていて欲しい絵本だから。

 さすがに初めてのときのような笑いは起こらないけど、楽しいもんね。

 

10分。

朝の読書タイム:2年2組(第4回)

◯ 絵本 『くまくん』 二宮由紀子/作、あべ弘士/絵

◯ 絵本 『もりもりくまさん』 長野ヒデ子/文、スズキコージ/絵

◯ 絵本 『こんにちワニ』 中川ひろたか/文、村上康成/絵

 

 インフルエンザが再び流行りだしてきたが、このクラス(の出席している子達)はとっても元気。挨拶も大きな声で!

 

『くまくん』

くまくん

 ”くまくん” は、逆立ちしながら

「ぼく、いま、さかさまになってるから ”くま”じゃなくて ”まく” なんじゃない?」と考えた。

 それで、”くまくん” じゃなくて、”まくくん” になった。そこへいろんな動物がやってきて、マネをするが・・・。

 子どもたちは先取りして「”すり” だ~」とか言っていてかわいい。そして、カバが登場した時には、やっぱり気づいて笑っていた。

 最後に”くまくん” が ”ぐまくん” になるところは、理由がわかった子は少なかったようなので、説明をした。

 あべ弘士さんの絵、やっぱりいいなぁ。特にトラの絵が好き。

 これは短く感じるが、読んでみると7分以上かかる。

 

『もりもりくまさん』

もりもりくまさん (たんぽぽえほんシリーズ)

 クマつながりというつもりでもなかったが、定番のこの絵本にした。

お馴染みなので、みんな「あ!」と嬉しそう。

 3分ぐらい残っていたので、ゆっくり目に読んでいたら「速い方がいい」という子がいた。それで、もうちょっと早口にした。「わお!」と一緒に言いたくてしょうがない子がいた。いいよ、一緒に言っても。

 

『こんにちワニ』

こんにちワニ (わははは!ことばあそびブック)

 最後の締めは、やはりこれ。裏表紙を見せただけでみんなピンときていた。

 ゆっくり一緒に唱和しながらよんだ。それでも1分かからない。

 

 10分。

 

朝の読書タイム:1年2組(第3回)

Nさん◯ 絵本 『アイウエ王とカキクケ公』武井武雄/作、三芳悌吉/絵

私  ◯ 絵本 『ラーメンのかわ』 赤川明

 

 今日は、新人のNさんのプチデビューの日。紹介をしてから、初めの一冊を読んでもらうことにした。

 

『アイウエ王とカキクケ公』

アイウエ王とカキクケ公 (童心社の絵本 20)

 劇画のような緻密な絵。お話はアイウエオに従って続いていく。

アイウエ王、カキクケ公、サシスセ僧、タチツテ塔、など。それでちゃんとお話がつながっていくのがすごい。

 1年生には、それらの言葉のおもしろさは多分あまりわからなかっただろう。特に「ナニヌネ野」「ハヒフヘ砲」「ラリルレ牢」など。それでも、絵の美しさとお話の流れで楽しめればいいと思う。今日も、みんなシーンとしてよく聴いていた。

 Nさんは緊張したと言っていたが、見ている限りそんな感じはなく、安心して見ていられた。ページをめくるごとに子どもたちの方に顔を向けるのがちょっと気になったので、そこだけ後でアドバイスした。

 

『ラーメンのかわ』

ラーメンの かわ (講談社の創作絵本)

 Nさんが終わったところで、残り3分。それに合わせて、持ってきていた定番絵本の中から、とっさにこの絵本を選んだ。

 このクラスではまだ読んだことがなかったが、「あ、知ってる!」「今借りてる!」の声も。それに混ざって「ぼく、ラーメン食べたことある!」と叫ぶ子もいて微笑ましい。

 読み始めると、「わー」「でかい!」など、反応がすごい。ラーメンの川を食べながら下っていくだけなのだが、それがとてもおいしそうで、子どもたちの興味を引きつける。

 時間ピッタリ。楽しい気分で終わることができた。

 

10分。

 

 

今年度16回目の児童館おはなし会

Oさん◯ 絵本 『これは、ねこです』 ヒース・マッケンジー

Oさん◯ 紙芝居 『くろねこのしろいはな』わしおとしこ/文、藤本四郎/絵

私  ◯ 素話 『猫女房』 岩手県遠野市の昔話

私  ◯ 絵本 『トラとネコ』プル・トゥリパティ/再話、いばやしまさこ/絵 「こどものとも」2010年6月号

 

 やっとインフルエンザも落ち着いたらしく、今日は50人近くの子どもたちがいた。

2月2日はニャンニャンのネコの日だったので、今日はネコの話を揃えてみた。

 

いつものようにOさんから。

『これは、ねこです』

ほんとに?しかけえほん (2) これは、ねこです。

 Oさんは、各ページの「これは、◯◯です」の◯◯の部分に黒いテープを貼って隠しておき、子どもたちに当てさせながら読んだ。子どもたちは大興奮でいろいろ当てずっぽうの答えを叫ぶ。

 これは難しくて、大人でもなかなかわからないよ。最初から答えを見せていてもよかったかも。答えがわかっていても、右側の絵を開くとどうやってその動物になるのか、見当がつかない。

 まあ、それでも子どもたちは喜んでいた。

 「そんな紙貼っていいの?」「剥がしちゃっていいの?」「図書館の本にそんなことしちゃだめなんだよ」などと盛んに木にする子はいたが。

 

『くろねこのしろいはな』

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 これは怠け者の男が生まれ変わる時に、鼻だけ白い黒猫にしてくれとエンマ大王に頼んだ話。

 子どもたちは「閻魔さま、優しい!」と叫んでいた。この怠け者の希望をすぐに叶えてやるから、確かに優しいかも。

 この男がなぜそんな猫にしてくれと頼んだのかは、あとで分かる。結局怠けたいためだったのだが・・・。

 

私に交代。

『猫女房』

 貧乏な男が、捨てられた雌猫を拾って大切に世話をしていたら、その猫が少しでも役に立とうと粉挽きをするようになり・・・

 単純な話だが、顔を見て話すので、子どもたちは真剣に聞いていた。

 

『トラとネコ』

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 これは「こどものとも」の月刊誌。ネパールの昔話だそうだ。

 昔、トラとネコは仲の良い親戚だった。ある日、トラはネコの子どもに木登りを習うことに。高い木にやっと登れたが、下り方を教わっているうちにお腹が空いてきて・・・。

 なぜネコが人と一緒に暮らすようになったのか、なぜフンを土で隠すようになったのか、その理由をつけている昔話。

 絵がとても派手で、特にトラの顔がすごい。私は好きだな~。

 

20分ちょっと。

 

朝の読書タイム:3年1組(第3回)

◯ 絵本 『ラーメンのかわ』 赤川明

◯ 絵本 『あーちゃんのおにいちゃん』 ねじめ正一/作、長野ヒデ子/絵

◯ 絵本『とまとさんにきをつけて』 五味太郎

 

 少し早めに教室に行ってみると、もぬけの殻。外を見ると、どうやらクラス全員で長縄跳びをしている様子。しばらく眺めて待った。時間になるとちゃんとみんな教室に戻ってきた。生き生きした顔をしている。

 

『ラーメンのかわ』

ラーメンの かわ (講談社の創作絵本)

 そんな子どもたちの顔を見ていたら、まずこの絵本を読みたくなった。

 ストーリーなんてあってないようなものだが、見ているだけでラーメンが食べたくなってくる。こんな「ラーメンの川」があったらすごいなあ。

 知っている子もいたので、直接反応はなかったが、みんなよく聴いていた。

 

『あーちゃんのおにいちゃん』

あーちゃんのおにいちゃん

 おしゃまな妹から見た、しょうもないお兄ちゃんの姿。次から次へとお兄ちゃんのダメなところを列挙しているのだが、不思議と、お兄ちゃんが大好きなんだな~と感じられる。

 最後、ちょっとだけ期待させて、でもやっぱり・・・と落とすところなど、気が利いていておもしろい。

 

 

 『とまとさんにきをつけて』

とまとさんにきをつけて

 自己中でうぬぼれ屋のとまとさん。自分のペースでどんどん話を進めていく。読者は引きずられっぱなし。でも、憎めないんだよね。

 3年生には幼いかも、と思ったが、まあ、ほっこりして気分になれたと思う。

 

10分。

 

 

今年度15回めの児童館おはなし会

Oさん◯ 絵本『十二しのはじまり』 木暮正夫/文、中村景児/絵

Oさん◯ 紙芝居 『はなたれこぞうさま』 安田浩/脚本、若菜珪/絵

私    ◯ 素話 『節分の鬼』

私  ◯ 絵本 『ワニのへやのおおそうじ』 あべ弘士 「かがくのとも」2012年3月号

 

 ついにインフルエンザが流行り始めたらしく、1年生の1クラスが学級閉鎖で、そのクラスの子は児童館にも来られない。そのため、今日はいつもの半分ぐらいしか児童がいなかった。いつもと違って静かで不思議な感じ。

 

 今日もまずOさんさんから。

『十二しのはじまり』

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 Oさんは、まずお正月の風習についてお話ししてから、この絵本につなげた。

 子どもたちは自分の干支をちゃんと知っていて、元気よく答え、絵本も興味を持ってみていた。

 十二支のはじまりの話は絵本や紙芝居でいろいろ出ているが、ちょっとずつ脚色が違っておもしろい。この絵本では、ネズミがネコを迎えに行くと約束していたのにすっかり忘れて牛の背中に乗ってしまった・・・とある。故意に嘘の日を教えたとする話よりは悪意がない。

 

『はなたれこぞうさま』

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  続けてOさんが紙芝居。日本昔話だ。

 「はなたれこぞうさま」のおかげで大金持ちになった爺様。そうなると、この洟を垂らした汚い身なりのこぞうさまが邪魔になり、帰ってくれと言ってしまう・・・。

 なにか教訓があるように思えて仕方ない。貧しい頃に世話になった人を最後まで大事にしなければならないということか。

 でも、この爺様は別に「はなたれこぞうさま」を邪険に追い出したわけではなく、「もう十分金持ちにしていただいたから、これ以上は結構です、どうぞ竜宮へお帰りください」という気持ちで言ったのだから、そんなに悪いとも思えないのだが。

 

 ここで私と交代。

『節分の鬼』

 いつものように素話から。

 次回は節分を過ぎてしまうので、今回この話をすることにした。

 家族をなくしてひとりぼっちのおじいさんが、節分の日に気まぐれで「鬼は~内、福は~外」とアベコベに叫んで豆撒きをしたところ、鬼たちが続々訪ねてきて、おじいさんと一緒に一晩中楽しく宴会をした。おじいさんはそれでまた生きる元気が出た、と言う話。

 子どもたちは、戸口を叩く音のところからすでに「あ、鬼が来たんだ」と言い当てていた。ちゃんと聞いていて、話も理解していたんだね。

 

『ワニのへやの大そうじ』

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 これは私の大好きな絵本。

 北国の(北海道だね)動物園が春の開園の準備をする話。ワニの生態の話もおもしろいし、餌をやる時に突進する様子などリアルだけどリアルすぎず味がある、あべ弘士さんの絵が生きている。 

 そして、ワニの部屋のガラスの内側をどうやって磨くかという問題。飼育係の先輩の助言を聞いて子どもたちも気づいたみたい。

 これは「かがくのとも」で科学絵本なんだけど、お話としてもとってもおもしろい。みんな興味深く最後まで聞いてくれた。

 単行本になっていないから、この絵本は大事にしなくちゃ。

 

 30分ぐらい。