◯ 絵本『アナベルとふしぎなけいと』マック・バーネット/文、ジョン・クラッセン/絵、なかがわちひろ/訳
◯ 絵本『せんひくよろこび』 片山健 (こどものとも年中向き2014年12月号)
◯ 素話 『びんぼうこびと』
◯ 絵本『こんにちワニ』中川ひろたか/文、村上康成/絵
今日も早めに教室に入ると、まだ半分ぐらいの子が図書館日本を借りに行っていて、戻っていなかった。女の子たちが「前に行っちゃおう!」「早く戻ってきてよかった~特等席取っちゃおう」と椅子を持って来て前に陣取る。
5分ぐらい待っていると続々子どもたちが帰って来て、「あ~ずるい」「見えない~」などと騒ぐが、見えないわけはない。私からちゃんとその子たちが見えるのだから。今日は紙芝居はないから「私の顔が見えるなら大丈夫だよ」と声をかける。
『アナベルとふしぎなけいと』
読み始めはちょっとざわざわしていたが、やがてシーンとなった。この絵本はとにかく毛糸の色が美しい。そして、それを強調するように、毛糸(や毛糸で編んだセーターなど)以外の部分は全部暗い色で統一されている。
編んでも編んでも毛糸がどんどん出てくる不思議な箱を拾ったアナベルが、町中の人にセーターを編んであげて、動物や家や車にまで編んであげて・・・・。
ちょっとした事件が起こるが、もちろんハッピーエンド。美しい絵本だ。
『せんひくよろこび』
次に何にするかちょっと迷ったが、しっかりしたお話が続くと疲れるかな?と思い、線つながりで『せんひくよろこび』を選んだ。これは、ひたすら線を引いていく男の子の話。地面に線を引いていたのが、だんだん知らない町や空や海や大昔の世界や宇宙まで線を引き続けていく。1年生では「え~!」「ありえない!」など声が上がったのだが、このクラスはおとなしかった。やっぱり3年生だから、絵本の世界ではなんでもありだとわかっているのかな。
『びんぼうこびと』
これは絵本にもあるのだが、私は絵本を使うよりも、自分の言葉で素話で語るほうが好き。ウクライナ民話だから、テキストそのままでなくてもいいよね。
(私は昔話などの伝承ものしか素話ではしない。創作ものは一文字でも変えると作者に失礼だと思うから)
久しぶりだったので、滑らかに言葉が出なくて焦るところもあったが、子どもたちの顔を見て、自然に身振りも入って、楽しく語れたと思う。この話はやっぱり年末にするのがいいのでタイミングが難しいけれど、私は大好き。
自分が金持ちなのに、隣の貧乏人が豊かになっていくのが許せない心の狭い男が結局罰を受けるのが、とてもしっくりくる。
『こんにちワニ』
時間が来てしまったが、最後の締めにダジャレで定番の『こんにちワニ』を読む。30秒ほどで読めるので、差し支えないだろう。
でも、今日は珍しく笑いも起こらず、一緒に唱えることもなく、ただ静かに聞いていたので、私はちょっと拍子抜けしてしまった。ま、こういうこともあるか。
15分ぐらい使えた。