◯ 絵本『たいこのすきな赤鬼』松谷みよ子/作、石倉欣二/絵
◯ 絵本『はらぺこソーダくん』岩田明子
◯ 絵本『こんにちワニ』中川ひろたか/文、村上康成/絵
私が何も言わないうちから、子どもたちはさっさと椅子を持って移動してきた。いい感じ。
朝の挨拶は、日直が誰だとか面倒なことにならないうちに私が先手を取って「じゃ、挨拶からしましょう。おはようございます!」と済ませた。少しでも時間が惜しいから。
『たいこのすきな赤鬼』
1年生にはちょっと長い絵本だからどうかとも思ったが、ぜんぜんだいじょうぶだった。私には意外なところで、笑いが起こったりした。
たいこをたたくのが大好きな赤鬼。山の動物たちに聞いてもらいたくて集まってもらうが、オニのたたくたいこの音があまりのすごい迫力なので、1匹、1匹と逃げ出し、結局みんないなくなってしまう。
怒り狂って暴れまわるオニの前に山の神様が現れて・・・
わかりやすいお話と、迫力のある絵で、惹きつけられたようだ。ただ、最後の場面で、「赤鬼どこにいるの?」と言い出してみんな見たがり、「あ、いた!」「見えない~!」などとちょっと騒ぎになった。ここだけオニの絵がちょっと小さいからね。
『はらぺこソーダくん』
去年発行されたばかりの絵本だが、知っている子もいた。ほんとは飲まれるべきソーダが、いろいろなものを飲んでしまう奇想天外なお話。
短くて、絵もおもしろい。気軽に読めて楽しめる絵本だ。
『こんにちワニ』
最後に定番の『こんにちワニ』をー。大きな声で一緒に読んでくれた。
ちょうど時間通りだった。
挨拶をして私が退場しようとドアの辺りまで進んだ時、後ろで担任の先生の声が聞こえた。先生の席から中央の教卓の方に進みながら、
「はい、お待たせしました。では・・・」
と子どもたちに向かって。
お待たせしました??
どういう意味だか、私にはわかる。この先生は読み聞かせが好きではないのだ。今年度になってからは露骨に表すことはなくなったものの、何年か前は、大した理由もないのに早く切り上げさせられたり、最後に短いのを一冊と思っていたところ間髪入れずに「はい、ありがとうございました」と言われたりしたものだ。
お待たせしました・・・の裏には「やれやれ、やっと終わったわ~」という気持ちが見え見えだ。
いつか、この先生も惹きつけられるような読み聞かせができるといいのだけど。