ブックトーク(岡田淳さんの本)
◯ 『選ばなかった冒険』
◯ 『二分間の冒険』
◯ 『小学校の秘密の通路』
◯ 「こそあどの森」シリーズ
司書の先生が、最近の子供達は全然本を読まない、と嘆いていらっしゃるので、思い切ってブックトークをしてみた。
4年生という微妙な学年。ここで本から離れてしまうとその先なかなか読書の習慣が戻らない。
紹介したい児童書はたくさんあるのだが、時間は10分しかないので、今回は『選ばなかった冒険』をメインに、あとは学校の図書室にある岡田淳さんの本を全部さらっと紹介することにした。
一応シナリオを書いてみた。
皆さんはテレビゲームをしたことがありますか。その中でも特にロールプレイングゲームというものがありますね。その多くは、自分が主人公になって襲ってくるモンスターや敵と戦い、倒しながら冒険していくものです。
でも、実際に自分がゲームの世界に入り込んでしまって、敵を殺さなければ自分が殺されるという状況になったらどうでしょう。
この『選ばなかった冒険』は、突然そんな世界に入ってしまった学とあかりの物語です。
学は授業中具合が悪くなり、保健係のあかりに付き添われて保健室に向かいます。しかし、実はただの寝不足でした。学は前の晩初めてテレビゲームをして夢中になり、夜更かしをしてしまったのです。
保健室に向かう階段を下りながら、学はあかりにそのゲーム〈光の石の伝説〉について話し始めます。
話に夢中になっているうちにふと気づくと、階段をいくら降りても1階にたどりつきません。外は暗く、学校の様子も変です。そうです、二人はゲームの世界に紛れ込んでしまったのです。
ゲームの世界のモンスターのひとつ、イガーに襲われ、安全地帯と言われる保健室に逃げ込むと、保健の先生に「疲れた戦士たち、ここで体を休めなさい」と言われます。
気が付くとあかりは保健室のベッドで寝ていました。あれは夢だったのでしょうか。しかし、その夜、学に電話して聞いてみると、学もまったく同じ夢を見ていました。
そして不思議なことに、その晩眠るとまたあのゲームの世界で目覚めたのです。
それからは、寝るたびに普通の学校の世界とゲームの世界を行き来し、どちらが夢だかわからない状態です。
ゲームの世界では他のモンスターや兵士などに出会い、戦い方を学んだりしますが、殺しあうことには抵抗を感じます。この世界にいる者達の正体は一体何なんでしょう? 光の石を手に入れたら何が起こるのでしょう。
二人の冒険について気になる人はぜひこの『選ばなかった冒険』を読んでみてください。
でも、実際始めてみると、私は熱くなってしまい、シナリオそっちのけで語っていた。ただ、なるべくしっかりした「です・ます」口調で、意味のない言葉は挟まないように注意した(つもり)。
そして、続けて『二分間の冒険』の触りをチラッと紹介。
「あんまり過激な冒険はちょっと…という人のためには」と言って『小学校の秘密の通路』を紹介。
それでも少しだけ時間が余ったので、「こそあどの森」シリーズの登場人物をプリントしたものを見せて紹介した。
これでこの小学校の図書室にある岡田淳さんの本は全部なのだ。ほんとは素晴らしい本がもっといっぱいあるのに。
子どもたちの反応はよくわからなかった。とりあえず、みんなシーンとしてこちらに注意を向けてくれていた。
司書の先生にはあらかじめお話してあり、岡田淳コーナーを目立つところに作っておいてくださるとのことだった。今朝終わった後もお話して、「一人でも二人でも、読む気になってくれるといいんですけどね~」「私からも勧めてみます」と連携を深めた。
祈るような気持ち。これでダメなら、次回はもっとレベルを落として読みやすい本を紹介しようか。