◯ 絵本 『わたしはあかねこ』 サトシン/作、西村敏雄/絵
◯ 絵本 『へろへろおじさん』 佐々木マキ こどものとも 2014年2月号
◯ 絵本 『せんたくばさみがあつまって』さとうゆみか/作、ピーター・ルービン/撮影 かがくのとも 2011年8月号
◯ 絵本 『カニツンツン』金関寿夫/文、元永定正/絵
だいたい席についていたので、真ん中に集まってもらって、時間よりほんの数分だけ早く始められた。
1年生も、夏休みをはさんで、なんだか体が大きくなったみたい。
絵本を取り出すと、「今日は昔話じゃないんだ?」と前の席の子。児童館ではいつも私は昔話から入るからだろうね。
『わたしはあかねこ』
今日のメインにしようと考えて持ってきたこの絵本。絵がはっきりしてとても見やすい。
わたしは あかねこ。
しろねこかあさんと くろねことうさんから うまれたの。
このあかねこの語りで進むお話だ。兄弟たちはみな黒と白の体なのに、あかねこだけは赤い。
親も兄弟たちも、ひとりだけ赤いあかねこをかわいそうに思って、なんとか白か黒にしようと試みるけれど、あかねこ自身はこの色を気に入っている。
だけど、わたしは、あかねこ。
そのままの じぶんが よかったの。
その気持ちを家族に理解されないことが悲しくて、ついにあかねこは
あるひ、わたしは みんなが ねてるうちに いえを とびだしたの。
ここで子どもたちの間から「家出だ」「家出!」の声が上がった。子どもってみんな一度は家出をしたい気持ちになったことがあるものなのかも。
結局、家出をしたあかねこは自分の気持ちに正直に生きる道を選び、意外なハッピーエンドを迎える。
周りに流されず、自分を信じる生き方をすることの大切さを訴えているようだ。全然堅苦しくなくて、楽しい絵本なのだが、考えると深い。
『へろへろおじさん』
これは私の定番絵本だが、このクラスでは初めて。次々と災難にあう「おじさん」に笑いが起こる。でも、最後にアイスクリームを落としてしまったところでは笑わなかった。さすがにかわいそうだと思ったのか。現実にありそうなことだから笑えなかったのか。
でも、女の子がアイスクリームを差し出してくれるところでは「やさしいね」という声も出て、ホッとしたようだった。この終わり方が素敵。
『せんたくばさみがあつまって』
カラフルな洗濯バサミが集まって、いろんな形になる写真絵本。とにかく美しい。
後半、水の中に飛び込んで渦を巻くところでは「龍になるよ」と予想してピタリと当てた子がいた。知っていたのかな?夕日をバックに、大量の洗濯バサミでできた龍はすごい迫力で美しい。
「すごい!」と感嘆の声が上がった。前に出してよ~く見せてあげた。
誰かが時計を見て「まだ時間あるよ。ほら、5のところまで行ってないもん」と言う。ちょっと嬉しい。
『カニツンツン』
最後に、これも定番だが、今日は2分しか残っていないので早口で読む。
意味があるような内容な不思議な言葉の羅列と、カラフルで抽象的な絵に、笑いが起こった。
ところが、中には「全然笑えない」といちいち抵抗する子がいた。うん、そういう気持ちもわかるよ。そういうこともある。
ここで、ちょうど時間になり、おしまい。
今日は反応が良くて、私としてはとても楽しかった。