私 ◯ 素話 『へっつい幽霊』 古典落語より
私 ◯ 絵本 『つられたら たべちゃうぞ おばけ』 乾栄里子/作、田中六大/絵
Oさん ◯ 絵本 『しりとりあそび しろとくろ』 星川ひろ子、星川治雄
Oさん ◯ 詩 『春のうた』 草野心平
Oさん ◯ 紙芝居 『はなさかじじい』 浜田廣介/脚本、黒崎義介/絵
新年度初めての読み聞かせは児童館で。まだ入学式も済ませていない新1年生もたくさん来ているはず。着いてみると、子どもたちはお散歩に出掛けていたので、少し待つ。やっと雨がやんだので、気晴らしに出かけたとのこと。
ほどなく帰ってきて、並んで座る。意外と早く準備ができた。今日は45人いる。
『へっつい幽霊』
挨拶と自己紹介をしてから、まず私の素話から始める。今日は雨模様で薄暗いので、幽霊の話を持ってきた。福娘童話集から採ったのだが、検索してみると古典落語にある話らしい。もちろん、落語の方はもっとたっぷり肉付けしてあって、ずっと長いようだが、私はお話の骨組みだけをシンプルに語った。
「へっつい」の説明をしてから、大工が古道具屋にへっついを買いに行くところから話が始まる。格安のへっついを手に入れて喜んで帰った大工だが、その夜、へっついのところに鬼火が出るのを見る。そして、続いてへっついから、すすに汚れた男の手がニューっと出る。ここのところで、私は自分の手を前に出して見せた。
翌日、古道具屋に文句を言いに行くと・・・。
子どもたちは時々言葉を挟むものの、集中して聞いてくれた。
『つられたら たべちゃうぞ おばけ』
続いて、お化けつながりでこの絵本を読む。こちらのお化けは怖くなくて、楽しいお化け。昨年発行されたばかりの新しい絵本だが、知っている子がいた。「吐き出すんだよ」とネタバレを何度か言ってしまう。まあ、子どもって言いたいんだよね。
つられてあくびをした子、つられて笑っちゃった子、をばく~んと食べてしまうお化けだが、すぐにげろ~んと吐き出してくれる。初めは怖がったり起こったりしていた子どもたちも、面白くなってきて、楽しく遊び始める。
インパクトの強い絵と愉快なお話で、読み聞かせには最適だと思う。
ここでOさんと交代。
『しりとりあそび しろとくろ』
これは参加型の絵本。白と黒のものだけでしりとりをする。ページをめくるごとに、次は何か当ててもらうのだ。ヒントもある。みんな夢中になって答えていた。小さい子は白と黒でないものを言ったりして、他の子に「それは赤だよ」などと突っ込まれていた。大盛り上がりで、ヒントが聞こえなくなることもあり、Oさんはちょっと苦労していた。
『春のうた』
次に、牛乳パックで作ったパクパクカエルを使って、草野心平の詩『春のうた』を紹介した。これは、光村図書の小学4年生の教科書に載っているそうだが、うちの学校では違う教科書なので、子どもたちは知らない。
Oさんは、この詩を覚えてきて、何も見ないで暗唱した。両手にカエルを持ってその口をパクパクさせながら詩を言うのだが、詩の言葉を間違いなく言おうとするのに神経を集中させていたらしく、せっかくのカエルがあまりパクパク動いていなかった。惜しいなぁ。
『はなさかじじい』
子どもたちはガヤガヤし始めて、Oさんは紙芝居を始めるのに難儀していた。でも、始めてみれば、結構ちゃんと聞いているものだ。
新1年生でどうしても落ち着かない男の子が2人いたので、私はその子たちのそばに座って、なんとか静かに聞かせようとした。1人は甘えて膝の上に乗ってきたので、そのまま抱いて一緒に聞いた。
ほぼ30分。新1年生も女の子は特に行儀が良かった。