私 ◯素話 『お化け車』 滋賀県の昔話
私 ◯絵本 『よるのさかなやさん』 穂高順也/作、山口マオ/絵
Oさん◯絵本 『うらしまたろう』時田史郎/再話、秋野不矩/絵
Oさん◯大型絵本 『おばけの地下室たんけん』 ジャック・ディケノワ/作・絵、大澤晶/訳
今日は夏らしい暑い日。児童館に来ている子どもたちは、ほとんどが朝から1日中児童館で過ごしている子たち。児童館は冷房がきいているからいいけどね。
お散歩に行っているグループがいたので、15分ぐらい待った。その間にOさんと打ち合わせができてちょうどよかった。長さと構成を確認した。
「家で計ってみたら『うらしまたろう』が思ったより長かったから、どちらか1冊にしようか」と気にしていたOさんだったが、私の絵本が思いがけず短いとわかったので、そのまま2冊読んでもらうことにした。
『お化け車』
これは昨年の同じ時期に語ったのと同じもの。覚えている子もいるかな?と思ったが、誰も「知ってる!」とは言わなかった。メンバーもすっかり同じではないし、子どもって1年経つと覚えていないものなのかも。
私としては、かなり気に入っているお話。ちょっと怖いけど、最後は温かい気持ちになれる。
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みんなシーンとして聴き入ってくれたので、私も落ち着いて雰囲気を出しながら語ることができた。子どもたちはやっぱり怖がってはいなかったけど。
『よるのさかなやさん』
「夜は夜でも、今度は楽しいお話です」と続けて、この絵本を出した。山口マオさんのはっきりした絵が読み聞かせにはとてもよい。
魚屋さんのさかなたちが、夜になると「しんだふり」をやめて、外に出て遊び始めるという話。野球をしたり、かくれんぼをしたり、釣りをしたり、夜空を泳ぎまわったり、野良猫たちと追いかけっこしたり。ほんとに楽しそう。
そして、夜が明けるとまた「しんだふり」をする。これもお約束通り。
ここでOさんと交代。
『うらしまたろう』
「うらしまたろう」の絵本はたくさんあるけれど、Oさんが選んだのはこれ。結構長くて、読むのに10分かかる。
子どもたちはもちろん「うらしまたろう」のお話は知っていて、粗筋を得意気に話してくれる子もいたけど、読み始めたらみんな静かに聞いていた。
私も久しぶりに聞いて、このお話はつくづく不思議だなと思った。太郎はカメを助けたばかりに乙姫に拉致されて、300年も失ってしまい、挙句の果てに老人になってしまった。
カメに連れられて竜宮へ行く時には、そんなつもりはなくて、お礼を受けてほんの少しの間楽しんでこようと思ったに違いない。それがこんな結末になるとは、悲劇だなあ。
もしかしたら、ちょっと、と思っても一度快楽に足を突っ込んでしまうと、知らず知らずのうちにのめり込み、取り返しの付かないことになる、という戒めなのかもしれない。
それと、カメを助ける時に、いじめっこたちにお金をやる(この絵本では魚を何匹かやる)が、これもまずいんじゃないかな。いじめっこたちは、カメをいじめれば儲かる、と味をしめて、これからもどんどんカメをいじめるようになるんではないか。
まあ、子どもの頃はこんなことは考えずにお話を楽しんでいたのだけれど。
『おばけの地下室たんけん』
最後は大型絵本。これは紙がペラペラなので、一人で押さえて読むのは無理。私が片側を支えて手伝った。
おばけたちが夜中の不審な物音におびえつつ、原因を確かめようと地下室に探検に行く話。自分たちがおばけなのに、怖がっているのがおかしい。特に、鏡を見て「おばけだ」と怖がる場面には子どもたちもあきれていた。
30人近くの子どもたち。30分、静かに聞いてくれた。