Oさん◯ 紙芝居 『むかでのおつかい』 吉田タキノ/文、原田ヒロミ/絵
Oさん◯ 絵本 『カマキリのカマーくんといなごのオヤツちゃん』 田島征三
私◯ 素話 『ハチとアリ』 秋田の昔話
私◯ 絵本 『かぶとむしのたたかいのおきて』 本郷儀人/文、小堀文彦/絵 (かがくのとも2015年8月号)
ちょうど始める夕方から台風で雨が降り出して、蒸し暑いが、児童館の中は冷房がきいている。
今日は虫の話で統一した。
『むかでのおつかい』
「知ってる~」と騒いで粗筋を説明しようとした子がいたが、先生に抑えられていた。他の子は静かに集中してみていた。
腹痛のイナゴのために医者を呼びに行くことになったムカデ。足がたくさんあるから速いだろうというみんなの期待に反して、日が暮れても医者は来ない。しびれを切らしてムカデの家に行ってみると、100本の足にせっせとわらじを履いている最中だった。
Oさんは、とぼけたムカデの台詞をうまく演じていた。
『カマキリのカマーくんといなごのオヤツちゃん』
田島征三さんの絵はダイナミックでおもしろい。
イナゴをおやつに食べようとしたカマキリのカマーくんが、「ぼくのオヤツちゃん」と呼んでそのイナゴを数々の敵から守っているうちに・・・
食べようと思って「オヤツちゃん」と言っていたのに、いつの間にかそれが名前になっていて、情が移っていく。鳥や人間からまでも体を張ってオヤツちゃんを守ろうとする。そして自分の体がボロボロになっても幸せそうなカマーくん。最後はちょっとさびしいけれど・・・。
もう少し絵本が大きければもっと良かったと思った。
『ハチとアリ』
ハチとアリが海に行って、ハチがニシンを、アリがタイを手に入れるが、ハチは美しい羽を持つ自分が美しく立派なタイを食べるにふさわしいと言い張る。
カブトムシ村長に判断を仰ぐ。
「ニ四が八」だから「ニシンがハチ」で、「ありがたい」から「アリがタイ」、というオチには、1年生はぽかんとしていたようだが、2~3年生と先生たちは大喜びだった。
『かぶとむしのたたかいのおきて』
これは素晴らしい絵本。絵がリアルで、光っている。迫力がある。
カブトムシの戦いの手順、勝敗の付き方、そして明らかに体の大きさが違う場合には激しい戦いに至る前に小さい方が逃げ出して怪我を免れるという、合理的な戦いの掟。
それを精密な絵と説明で語っている。
子どもたちは「カブトムシ飼ってる~」と言ったり、自分の知識をひけらかしたりする子もいたが、やがて引き込まれていった。
約30人。