◯ 本の紹介 『シノダ!チビ竜と魔法の実』 富安陽子
初め、先生はいらっしゃらなかったが、私が声をかけるとすぐに席についてくれた。(その後、途中で何度も先生が後ろのドアをガラッと開けて出入りしたのには閉口した)
『シノダ!チビ竜と魔法の実』
昨年、富安陽子さんの講演を聴いてから、ぜひ紹介したいと思っていたこのシリーズ。学校の図書館には入っていなくて、「入れてくださいよ~!」と頼んでいた。それがついに入ったのだ。早速紹介しなくては!というわけで、6年生に持っていくことにした。
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この本は、漢字の使われ方から見て、おそらく読者として4年生ぐらいを想定して書かれたものだと思う。でも、大人が読んでもおもしろいのだから、6年生でも全然問題ないはずだ。
今回は、ちゃんと台本を作っておいた。
日本の昔話には、人間の女の人に化けた動物と人間の男の人が結婚する話がたくさんあります。「鶴の恩返し」は皆さんも知っていると思いますが、他にも「キツネの嫁ご」「カエル女房」「キジ女房」などがあります。たいていは、人間に化けたまま結婚し、正体がバレると去っていかなければならないというパターンであるようです。
この本の作者である富安陽子さんは、「もし私だったら、正体を隠したまま結婚するのは嫌だと思う。やっぱり本当の自分を知ってもらって、その上でそれでもいいから結婚して欲しいと言われてから、結婚したい」と思い、この話を書いたそうです。
信田家のパパは人間、ママはキツネ、3人の子どもたち(ユイ、タクミ、モエ)は人間とキツネのハーフです。ママがキツネだということは、家族は皆知っていますが、もちろん他所の人には秘密です。
ママの親戚は皆キツネで、しかも超個性的なキツネばかり。
でっかいキツネの格好のまま遊びに来るおじいちゃんはテレビで時代劇を見るのが大好き。時々人魂をお供につれてくる。
ちゃらんぽらんな夜叉丸おじさんはしょっちゅう問題を起こす。
スエおばさんは、毎度毎度違った姿に化けてやってくる。あるときは腰の曲がったおばあさん、あるときは茶髪のお姉さん、またあるときはよちよち歩きの女の子といった具合。
ホギおばさんは、おせっかいで占い好き。頼まれもしないのにやってきては不吉な予言を告げるのが趣味です。ホギおばさんの予言によると、信田家には次々と災難が降りかかるのだそうです。でも、ママは「災難と不幸は同じじゃないのよ。災難をのりこえられないことは不幸だけど、災難を乗り越えていくことは、人生のたのしみの一つなんだから」と言うのです。
そんな信田家のお風呂場にある日小さな竜が迷い込んできます。そのまま住み着いてしまい、お風呂場の湿気で雲を作り、雨を降らせては少しずつ成長していきます。このチビ竜はこのあとどうなるんでしょう。
もちろん、この台本を読み上げたわけではなくて、チラチラ見ながら、その時の自分の言葉でアドリブも入れながら話した。
では、ここで、ママがパパに、ママの正体を打ち明けたときの話を紹介したいと思います。娘のユイに話しています。
と、ここで当該部分の2ページを朗読した。素敵なエピソードだ。
時間を見ると3分ぐらい余っていたので、ちょっと迷ったが、ダジャレの絵本を読むことにした。
『おかしなおかし』
いろいろなお菓子がスポーツをする。それが全部ダジャレになっていて、言葉は調子がいいし、絵もかわいい。『おやおやおやさい』『くだものだもの』の姉妹編。
6年生ともなると素直に笑ってはくれないが、一応「ふうん」って感じで聴いていたようだ。
最後にもう一度『シノダ!・・・』を薦めて、おしまいにした。
本当は、一番先に絵本の『きつね女房』でも用意してチラッと見せるか説明してから『シノダ!・・・』の紹介を始めればよかったのだが、思いついたのが遅くて間に合わなかった。次に紹介するときは、ちゃんと用意しよう。
10分。