チョコドーナツの読み聞かせボランティア記録

子どもたちへのおはなし会の記録です

おはなし会の記録(小学校や児童館等での絵本読み聞かせ、紙芝居、素話など)

朝の読書タイム:5年1組(第1回)

◯ 本の紹介 『人はクマと友だちになれるか』 太田京子

◯ 本の紹介 『やんちゃ子グマがやってきた』 あんずゆき

◯ 絵本 『くまさん くまさん おはいんなさい』 小野かおる こどものとも年中向き2009年5月号 

 

 先生がいらっしゃる前からほぼ全員きちんと席についていて、行儀が良かった。すばらしい。

 今日は、この小学校の図書館で以前から目をつけていた『人はクマと友だちになれるか』を中心に、クマの本を紹介しようと決めていた。ちゃんと前々から台本も作っておいていたので安心していたが、実はそれ以外は行き当たりばったりに。

 『やんちゃ子グマがやってきた』は今朝寄った小学校の図書館で同じ棚に見つけた本で、その場でササッと内容を確認したもの。

 クマの絵本も一冊読み聞かせしようと思っていたが、それは昨夜あわててうちの本棚から探したもの。

 まあ、それでもなんとかうまくできたと思う。

 

『人はクマと友だちになれるか』

人はクマと友だちになれるか? (イワサキ・ライブラリー)

 初め、私がこの題名を見た時、クマを飼いならして友だちになる話かと思ったのだが、実はまったく違った。野生のクマと人間がどうしたら平和に共存していけるのかと真剣に考えて活動しているグループを取材したものだった。

 私が書いたブックトークの台本は次の通り。

 

最近、山で山菜採りをしていた人が熊に襲われたとか、人の住んでいるところの近くにクマが出たとか、時々ニュースで聞きますよね。

 

日本にはどんな種類のクマが住んでいるか知っていますか?

⇒北海道にはヒグマ、本州にはツキノワグマが住んでいます。

 

クマは何を食べるか知っていますか?

⇒雑食です。肉や魚、昆虫も食べますが、主食は植物です。特に秋には脂肪分が豊富で消化吸収のしやすいドングリが重要な食べ物です。

 

目次を見ると

生ゴミが好きなのは、カラスばかりじゃない

クマのウンチはいいにおい

生ゴミがクマを殺している

クマを見た日―クマの放獣を見学しました

夜のクマパトロール体験

クマにあったらどうするか

人はクマと友だちになれるか

 

など、興味深い話が載っています。

最後には小学生から寄せられたクマについての51の質問に答えるコーナーもあります。

 

クマの数は減っているそうです。なぜでしょうか。それについてどう思いますか。

 

人間が「きらいだ。いらない!」と判断すれば、簡単にクマを絶滅させてしまえるでしょう。でも、その反対に、人間は、人間以外の動植物を絶滅の危険からすくう力や知恵も持っているはずです。

 

とあります。

クマと人間の関係、クマと自然の関係、どうしたらクマと人間はうまく共存できるのか。

クマの生態について調べながら、この問題を考えていくのに最適な本です。

 

とても読みやすいので、ぜひ読んでみてください。

 

 もちろん、これをそのまま読み上げたわけではないが、ちゃんと台本を作っておくと安心だし、実際は臨機応変に違うことをしゃべっても滑らかに進められる気がする。

 今日は、初めに

「最近、ニュースで山菜採りの人がクマに襲われたとかいうニュースをよく聞きますよね」

と話をふると、みんな大きくうなずいてくれた。いい感じのつかみだ。

 「日本にいるクマの種類を知っていますか。何グマでしょうか。」

 すると、意外に早く「ツキノワグマ」の名があちこちから出た。すごいなあ。実は私はこの本を読むまで、全部ヒグマだと思っていた。

 「そう、ツキノワグマ! すごいね~。よく知ってたね。胸のところにこういう半月みたいな模様がついているんですよね。 じゃあ、北海道にいるクマは? よく鮭を口にくわえている姿を見たりするでしょ?」

 ちょっと間があったが、誰かが「ヒグマ」と遠慮がちに答えた。

 「クマは何を食べるのでしょうか」

 「魚」「肉」という答え。やっぱり肉食だと思っているんだね。

 「そう、魚や肉も食べます。でもね、クマの主食はなんと、ドングリなんです。あの体でドングリなんてね。リスかよ?ッて感じですよね」

 という感じで進めていった。

 紹介し終わると、その本を教卓の上に立てておいて、次に進む。

 

 

『やんちゃ子グマがやってきた』

やんちゃ子グマがやってきた!―森からのメッセージ (フレーベル館ジュニア・ノンフィクション)

 こちらは何しろ今朝つい10分ぐらい前に見たばかりの本なのだから、台本も何もなし。でも、写真も豊富だし、とてもわかりやすいので、内容はよくわかったつもり。

 冒頭の部分を数行読んで、どういう話かを説明する。

 

 「人間の家の近くに何度も現れて生ゴミをあさっていたクマを退治したら、そのクマの巣穴には幼い子グマが2匹いました。どうする?子グマも殺す? そうはしなかった。90もの動物園に電話して引き取り先を探したんです。まだ幼い子グマだからそのままだと死んでしまうからね。動物園で人工的に飼育してもらおうと思ったんですね。そうしたら、やっと長崎県の動物園で引き取ってくれることになりました。

 これは、その動物園での飼育記録です。これもまさにツキノワグマです。写真もいっぱい入っていて、子グマはかわいいです。でも、クマはクマですから、飼育員は噛まれたり叩かれたり、あざだらけになって苦労したそうです。

 ツキノワグマの数は、実はどんどん減っているそうです。そんな中、動物園で出来ることは何でしょうか。

 

最後に、クマの絵本を読む。時間もちょうどいい。

『くまさん くまさん おはいんなさい』

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 ほら、これもツキノワグマでしょ?

 なわとび歌 ♪くまさん くまさん おはいんなさい♪

につられて、山から下りてきた子グマが子どもたちと一緒になわとびをして遊ぶ話。

 もちろん、このクマは全然凶暴じゃなくて、かわいい子グマ。言葉も話し、子どもたちと本当に友だちになる。お話っていいよね。

 読み終えた後、

「こういうなわとびの歌、聞いたことある?」

と聞いてみたら、数人が

「ああ!」

と反応していた。

 「歌詞はいろいろあるけど、なぜか”クマさん”なんだよね。やっぱり昔から親しみがある動物だったんだろうね」

 

 ちょうど10分。