チョコドーナツの読み聞かせボランティア記録

子どもたちへのおはなし会の記録です

おはなし会の記録(小学校や児童館等での絵本読み聞かせ、紙芝居、素話など)

高楼方子さん 原画展とギャラリートーク

 楽しみにしていた高楼方子さんの絵本原画展とギャラリートークに行ってきた。

 ギャラリートークより40分ぐらい早く着いたので、まず原画展を楽しむ。高楼方子さんご自身で描かれたものはもちろん、高楼さんの絵本に絵を描かれた他の画家の方の絵も展示されていた。こみねゆらさん(おーばあちゃんはきらきら)、飯野和好さん(紳士とオバケ氏)、佐竹美保さん(ちゃめひめさまとあやしいたから)、佐野洋子さん(ぼんぞうののぞきだま)、さとうあやさん(ピピントムトム)、そして高楼さんのお姉さんの千葉史子さん(いたずらおばあさん、時計坂の家、とおいまちのこ、ココの詩)。

 特に感動したのは、千葉史子さんの「時計坂の家」の表紙原画。

時計坂の家 (福音館創作童話シリーズ)

 表紙と裏表紙がつながって一枚になっている。原画は美しいの一言。それほど大きくはなく、実際の本より少し大きい程度。色もきれいで細かく描かれており、怪しい魅力のある森の雰囲気が伝わってくる。

 これはリブリオ出版で最初に出版されたものより、福音館で再出版された本のほうが原画の色を忠実に出していると思う。本も美しいと思ったが、原画は圧巻だった。

 

 たかどのご自身の絵は、「すてきなルーちゃん」「ルゥルゥおはなしして」「つんつくせんせいといたずらぶんぶん」「まあちゃん」シリーズ、「キロコちゃんとみどりのくつ」「ボンちゃんはお金もち」「へんてこもり」シリーズ、「ゆかいなさんにんきょうだい」「そらまめばあさんをおいかけろ」「いたずら人形チョロップ」があった。

 どれも、本より少し大きいくらい。原画を見ると色が綺麗で、細かいところまでとても丁寧に描かれているのが分かる。

 特に「まあちゃんのながいかみ」の、髪を川に垂らして魚をとる場面と髪を両側に伸ばして洗濯物を干す場面が、美しくて可愛くて、いつまでも見ていたいほどだった。

まあちゃんのながいかみ

 ギャラリートークの案内アナウンスが入ると、どこからともなく(?)続々と人が集まってきた。午前中に子ども対象のワークショップ「おはなしをつくろう」があったためか、子どもの姿も多い。

 マイクを付けた高楼方子さんが、展示会場を歩きながら、順に作品の説明やエピソードをお話してくれた。

 「まあちゃん」は高楼方子さんの幼い頃の愛称。「方子」を「まさこ」と読むのが本名。でも、この絵本のまあちゃんが自分自身というわけではない。

 子どもの頃、髪を伸ばしたいなとは思っていたけど、母は髪をゆったりするのが嫌いだったため、髪を伸ばすことを許されなかった。友達は背が高くなりたいと言っていた。しかも、電信柱より高くなりたい、と。そんなに極端だったらおもしろいな、と思ったところからできたのが、この「まあちゃんのながいかみ」。

 これを読んだ子どもたちも想像を膨らませて、こんなに長い髪があったらどんなことができるか、考えてみて。

 「つんつくせんせいといたずらぶんぶん」

つんつくせんせいといたずらぶんぶん (えほんあらかると)

 つんつくせんせいのシリーズは、月刊キンダーブックから生まれた。最初はつんつくせんせいがメインになるとは思っていなかった。

 つんつくせんせいの1冊目は「つんつくせんせいどうぶつえんにいく」。

つんつくせんせいどうぶつえんにいく (えほんあらかると)

 パンダは可愛くて人気がある。でも、同じ白と黒なのにマレーバクは人気がない。どうしてなんだろう? 入れ替わったらどうなるだろう?

 入れ替わるための必然性として、いつもつんつんしている「つんつくせんせい」を生み出した。小公女に出てくるミンチン先生のイメージ。

 ところが、この本が出ると「つんつくせんせいの話をもっと書いてほしい」と言われた。不思議なもので、作り出す前はつんつくせんせいが存在しなくたってそれが普通で、寂しいとか思わないのに、一旦生み出して世に出てしまうと、もう確実に存在している。

 高楼方子さんはサラッとそうおっしゃったが、そういう愛されるキャラクターを創造する高楼方子さんはすごいと思う、私は。

 

 「へんてこもりにいこうよ」

へんてこもりにいこうよ (おはなしカーニバル 10)

 幼稚園の頃、本当に隣に森があった。もちろん入ってはいけないと言われていたのだが、時々友達と忍び込んで遊んだ。

 この「へんてこもり」のシリーズは、言葉が鍵になっている。言葉が現実の姿を表したらどんなだろう、と。例えば「まるぼ」だったら、どんな姿だろう? (前の方にいた子どもが「丸い」と答える)そうね。そんな感じ。

 確かに、「まるぼ」「ぼさこう」「うるりんぞ」という言葉の持つ響きやイメージがそのまま現れて、ほんとに楽しいお話。

 

 その他、一つ一つお話の内容を説明してくださったり、朗読してくださったり、1時間弱たくさんお話してくださったが、歩きながらだったのでなかなか書き留められなかった。

 終わってから、一緒に行った友人たちと再び原画をじっくり見ながら、絵や本の話をしたりして、楽しかった。