Oさん◯ 紙芝居『ばけねこやま』 山崎杉夫
Oさん◯ 絵本 『うみにいったライオン』垂石眞子
私 ◯ 素話 『オトギリソウ』 山形県の昔話
私 ◯ 絵本 『ひとつめのくに』 せなけいこ
夏休み中なので、子どもたちは一日中児童館で過ごしている。特に今日は雨でプールにも入れなかったし、外遊びもできなかったので、長時間先生方も大変だっただろう。
3時に行くと、1~3年生39人がちゃんと集まって座っていた。
まず、いつものようにOさんから。
『ばけねこやま』
夏だから怪談を。今日は雨で涼しいけどね。ーーーと始める。
結構知られた昔話だが、絵が大胆だし、お話も私が知っているものより怖くできている。化け猫の顔が怖い。Oさんは、襲ってくる化け猫の声もリアルに怖く演じていた。なかなかいいと思った。
最後は逃げ切ったものの、化け猫のお湯をかけられてしまった部分は毛が生えてしまったとのこと。絵を見ると、体のほぼ半分はそうなっている。顔も片目は猫の目に・・・。
静かに聞いていた子どもたちも、ここでは「あ、猫になってる!」「毛が生えてる」と指摘していた。怖い~
『うみにいったライオン』
次は打って変わってかわいい絵本。ちょっととぼけたライオンと海水浴に行く男の子の話。ライオン泳ぎで泳げるんだと強がっていたライオン、実は泳げないんだと告白するところなどかわいい。大した事件も起こらないが、ライオンと二人でパラソルを開いたり貝を拾ったりお弁当を食べたり、砂のお城を作ったり、楽しく過ごす様子がほほえましい。
終わってから、「ほんとはライオンは泳げるんだって」とOさん。確かに私もそんなことをきいたことがある。
ここで私に交代。
『オトギリソウ』
これはオトギリソウという花にまつわるお話。
仲の良かった兄弟が、同じ女の人を好きになったことから険悪になり、ついに殺し合いになってしまった。ここで子どもたちは「え~っ?!」と声を上げる。「警察来ないの?」など。
そして、ついに兄が弟を殺してしまった。と続けると、もっとすごい反応が返ってきた。「救急車!」「自分の心臓をあげればいい」「そんなことしたら自分が死んじゃうじゃん」などなど。どうしても弟を殺したくないらしい。
仕方なく私は、もう死んでしまったから生き返らないんだよ・・・と進める。立派なお墓を建てて毎日お参りをした・・というところでも、まだ未練があるらしく「そしたら生き返ったの?」と。
ただのお話なのに、子どもたちが弟殺しにこんなに強烈な反応をするとはびっくりだった。
夏になると、そのお墓の脇に黄色い花が咲く。ここでオトギリソウの写真を見せる。この端に黒い点々があるでしょう。「虫に食われたの?」との声が上がったが、これは弟の血のシミだと言われている・・・。
この草は、煎じると傷薬になる。悲しい話を哀れんだ仏様がそういう力を与えたから。
これは弟を切る草と書いて「オトギリソウ」と呼ばれている。
みんなは兄弟仲良くしてね、と言うと「俺、きょうだいいない!」「隣の保育所に弟がふたりいる!」などと口々に教えてくれる。かわいいなあ。
『ひとつめのくに』
見世物小屋の見世物師が、ひとつめの化け物を捕まえて見世物にして儲けようと、100里離れたところまで探しに行く。そこでひとつめの女の子を捕まえるが、女の子が叫んで助けを呼んだため、見世物師は捕まってしまう。そこはひとつめの国だったため、見世物師はふたつめの化け物として見世物にされてしまう・・・という、考えると深い話。
みんな静かに聞いていて最後は「反対になっちゃったじゃん」と。意味はわかったんだな。