◯ 絵本『もりもりくまさん』 長野ヒデ子/文、スズキコージ/絵
多分副担任の先生だと思うのだけど、私に気を遣ってくださっているのか、静かにさせようと必死なのが返って邪魔になる。私は、前に立ったらもう任せて欲しい。「見えにくい人がいたら椅子だけ持って移動して」と言ったら、先生が横から「◯◯さん、ここに入って」とか「動きにくかったらちょっと机を動かして」とか、イライラしたような声で口を挟んでくる。私は文句も言えないので黙っているが、心の中では「邪魔!」。
『山いっぱいのきんか』
月夜の晩に山へ草刈りに行ったランフーという男。山道にきんかがぎっしり並んで光っているのに驚く。偶然「山の神さまが、月の光に、きんかをさらす日」だった。不思議なおばあさんは「そなたは、うんよく それにであったから」と、きんかを3つ拾って、ランフーにくれた。
ランフーは喜んだが、欲を出して・・・
もっと、もっとーと、欲を出したために、月が沈んで、結局きんかは全部消えてしまったという教訓っぽい話。
絵が綺麗で、話もわかりやすい。後から家族が順に後悔を口にするのもおもしろい。
『もりもりくまさん』
数分余ったので、定番のこの絵本を出した。「覚えてる?」というと、みんな笑顔で「あ~!」などとざわざわ。それはそれでいいのに、さっきの先生がまた「静かに!」と口出ししてきた。あーあ。楽しい気持ちをしぼませるようなこと、しないで欲しい。
覚えていてはくれたけど、久しぶりなので、時間に合わせてちょっとゆっくりめに読み、絵もよく見せた。子どもたちは笑ったりして喜んでいた。
終わると、先生が間髪入れずに「ありがとうございました」を言わせ、私が出て行こうとして一歩踏み出したかどうかという時には、もう「はい、じゃあ、椅子を戻して~」と子どもたちに指示。余韻も何もあったもんじゃない。
でも、黙っておく。
10分。