チョコドーナツの読み聞かせボランティア記録

子どもたちへのおはなし会の記録です

おはなし会の記録(小学校や児童館等での絵本読み聞かせ、紙芝居、素話など)

朝の読書タイム:3年1組(第1回)

〇 絵本『カワセミとヒバリとヨタカ』 あべ弘士

◯ 絵本 『のってみたいな』 たむらしげるこどものとも年少版2018年11月号)

◯ 絵本 『カニツンツン』 金関寿夫/文絵

 

 なんと、この3年1組は今年度初めて。私たちはそれぞれ学校で割り当てられたクラスに入るので、私の意図ではなく、気づいてさえいなかった。

 

カワセミとヒバリとヨタカ』

あべ弘士の生きものがたり カワセミとヒバリとヨタカ: ぴっかぴかえほん

 この3種類の鳥、知っている子はほとんどいなかった。それで、ちょっと説明をしてから始めた。この絵本で、カワセミとヒバリとヨタカの姿や生態がだいぶわかって、興味を持ってくれたようだ。そして、さりげなく「みんなちがってみんないい」の精神が伝えられたのではないか。

 あべ弘士さんの絵は見やすいし味がある。それほど写実的ではないのだが、鳥の特徴をよくとらえている。

 

『のってみたいな』

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 これは月刊「こどものとも年少版」の新刊。もっと小さい子向けなのだが、想像力を働かせる楽しい絵本なので、3年生に読んでみた。

 思ったとおり、すぐに食いついてきた。パンでできた自動車のところでは「乗ってみたい!」「乗りながら食べられるじゃん」、氷で作った豪華客船では「え~冷たいよ」、雲の飛行機には「乗りたい!」など、夢がふくらんでいる。

 たくさんの夢の乗り物が描かれているページは、もっとじっくり見せたかったが、小さい絵なのでなかなか難しかった。それでも「タコだ!」などと声が上がった。

 

カニツンツン』

カニ ツンツン (こどものとも傑作集)

 残った時間で「『カニツンツン』と『もりもりくまさん』、どっちがいいかな?」と言うと「両方!」と言われた。ちょっと嬉しい。

 それでも、残り時間をにらんで、こちらにした。久しぶりだったが、ちょっと早口で頑張った。

 

10分。

 

 

 

 

朝の読書タイム:6年2組(第3回)

◯ 絵本 『ことりをすきになった山』マクレーラン/文、カール/絵

◯ 絵本  『こんにちワニ』 中川ひろたか/文、村上康成/絵

 

 さすが6年生。先生がいらっしゃらなくても、きちんと席について迎えてくれた。

「学習発表会、よかったよ!」というと「ありがとうございます」と元気に声がかえってきた。

 

『ことりをすきになった山』

ことりをすきになった山 (エリック・カールの絵本)

 エリック・カールの絵が鮮やかな絵本。でも、これは絵本ではあるが、文章量も多く、内容も深い。低学年の子が自分で読めるような本ではないと思う。でも、学年が上がると、絵本を読むのは抵抗があるらしく、なかなか読まれない。

 だから、こうして読み聞かせをする意義はあると思う。

 10分をちょっと超える長さだが、よく聴いてくれた。

 

『こんにちワニ』

こんにちワニ (わははは!ことばあそびブック)

 最後に滑り込みで定番のこの絵本で締めた。覚えていてくれたかな。

 

12分。

朝の読書タイム:6年1組(第3回)

◯ 本の紹介『盗賊会社』より朗読『助言』

◯ 絵本 『ぺちゃくちゃ ばーぶー』 たかどのほうこ(こどものとも年少版2018年10月号)

 「6年生になってから図書館の本を借りたことのある人?」ほぼ全員。

「では、2学期になってから図書館の本を借りたことのある人?」やはりほぼ全員。

6年生を図書館で見かけることは少ないので、これは意外だった。でも、あとで考えてみると、ちょうど読書週間が始まったところで、全員借りるように指導があったのかもしれない。

 『星新一って聞いたことある人?」ゼロ。やっぱりか。

 

『盗賊会社』より朗読『助言』

星新一ショートショートセレクション〈12〉盗賊会社

 星新一ショートショートの説明をしてから、この中から1篇を朗読することにした。『助言』は、突然やってきた宇宙人にうまく言いくるめられて対立国との戦争を始めてしまったある国の元首の話。

 朗読していて気づいたが、音だけで聞くとわかりにくい言葉がある。「元首」は言葉自体難しいので「国の一番偉い人、総理大臣とか大統領とかね」と一言説明を入れた。その他、「他国」「他星」などは字で見れば難しくないのだが、音だけで聞くとわかりにくい。1回目のときだけ、さりげなく「他の国」「他の星」などと言いかえを添えた。

 興味を持ってくれる人がいたらいいなあ。

 

『ぺちゃくちゃ ばーぶー』

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 少し時間が余ったので、かわいいお話を1冊読んだ。私の大好きなたかどのほうこさんの新作。

 おばあさんのつぶやきを、そよ風、葉っぱ、小鳥、と伝えていって、小鳥が赤ちゃんに伝え、赤ちゃんがお兄ちゃんに伝え、最後にお兄ちゃんがちゃんと正しくお母さんに伝え、おばあさんの願いは叶えられる。

 赤ちゃんが小鳥の言葉を理解するところあたりから、「すげぇ」とつぶやきが聞こえ始めた。

 終わってから「赤ちゃんは人間の言葉を話せるようになるまでは小鳥の言葉を理解すると言われているんですって」と、たかどのほうこさんのおっしゃっていたことを話した。

 

13分ぐらいかな。

 

 

 

2018年度11回目の児童館おはなし会

Oさん◯ 紙芝居『なんにもせんにん』 巖谷小波/原作、川崎大治/脚本、佐藤わき子/絵

Oさん◯ 絵本『ぶたのたね』佐々木マキ

私  ◯ 素話『クモ女』

私  ◯ 絵本 『おじさんのつえ』 五味太郎

 

今日は、土曜日に行われた学習発表会の振替休日で学校はお休みなので、子どもたちは朝から児童館に来ている。でも、午前中は児童館まつりで楽しんだので、いつもより落ち着いていた。人数は少なめで37人ぐらい。

 いつものようにOさんから。

『なんにもせんにん』

なんにもせんにん (紙芝居ベストセレクション 第2集)

 怠け者のたすけの家にやってきた「なんにもせんにん」は、何も食べないのに、たすけが怠けているとどんどん大きくなり、ついに家からはみ出すほどに大きくなってしまう。たすけは自分の家に入ることすらできない。これには困ったたすけ。解決するためにはたすけが働くしかない。

 「なんにもせんにん」とは「なんにもせん」(何にもしない)と「せんにん」(仙人)を掛けていて面白いと思う。

 話は単純でわかりやすい。なんにもせんにんが大きくなったり、小さくなっていったりするところは、紙芝居ならではの、少しずつ抜いていく技で効果的に見せられる。

 ただ、私は最後にたすけが、小判を部屋いっぱいになるほど与えられるのには納得がいかない。はじめから真面目に働いていた人には何もないのに、初め散々怠けていて、あとから普通に働き出しただけのたすけがこんなに得するなんて、不公平だ。

 でも、子どもはそんなふうには思わないんだろうな。

 

『ぶたのたね』

ぶたのたね

 足が遅くてドジなオオカミの失敗話。これは私も大好き。ついついオオカミに同情して応援したくなる。でも、どうしてもぶたを食べることはできないんだよね。

 

『クモ女』 

 「怖い話です」と言ったら、先生がわざわざ暗くしてくれた。まあ、そんなに怖くはないんだけど、みんなシーンとしてよく聴いてくれた。

 荒れた古寺に泊まったお坊さんが、危なくクモの化け物母子に食われそうになる話。

 1年半前にも一度語ったのだが、覚えている子はいなかったようだ。Oさんは後で「聴いたことあるね」と言っていた。

 

おじさんのつえ』

おじさんのつえ (五味太郎のおはなし絵本)

 これは楽しい絵本。おじさんの持っている杖が、なぜかいろんな役割を果たす。子どもたちも「ええっ?」と驚いていた。

 杖の形は変わらないのに、タバコになったりストローになったり電話になったりソリになったり・・・

 終わったときに誰かが「俺も杖持ってる」と言っていた。どんな杖かな?

 

 

2018年度10回目の児童館おはなし会

Oさん ◯ 紙芝居『チンパンジーのおんがくかい』あべ弘士

Oさん ◯ 絵本『ゆうかんな3びきとこわいこわいかいぶつ』スティーブ・アントニー/作/絵、野口絵美/訳

私  ◯ 素話『谷峠の猫又』 石川県の昔話

私  ◯ 絵本 『わるわるイッサイ』佐々木マキ

 

 台風24号による明け方からの暴風には参った。そのせいか、今日は子どもたちも少なめで、30人。ちょっとやんちゃな男の子が数人騒ぎ気味。

 

いつものようにOさんの紙芝居から。

チンパンジーのおんがくかい』

チンパンジーのおんがくかい―紙芝居 (ともだちだいすき)

 これは旭山動物園で本当にあった話です、と始めた。「行ったことある」という子もちらほら。

 チンパンジーがリズムを取って踊る様子が楽しい紙芝居。

 Oさんは参加型にしたくて、一緒に手を叩いてもらおうとしたが、子どもたちは絵に強く反応した。チンパンジーの大胆なポーズや顔に興奮してしまって、大騒ぎ。それでも、最後の方には一緒に手を叩いたりしてくれた。

 終わってから「どこの動物園?」ときいた子がいて、館長先生に「初めにちゃんと教えてくれたでしょ?聞いていなかったの?」と咎められた。別の子が「東山動物園!」と答えて、みんなの拍手をもらっていた。

 

『ゆうかんな3びきとこわいこわいかいぶつ』

ゆうかんな3びきと こわいこわいかいぶつ (児童書)

 これは何とか落ち着いて聴いてくれた。小動物3匹が怖がっていた怪物は実は優しい怪物だった。子どもたちも最後にはそれがわかったようで、「ほんとはやさしいんだよ」と見抜いていた。でも、怪物の姿が奇妙なのでそのことについてはいろいろつぶやいていた。

 

ここで私に交代。

『谷峠の猫又』 

 「さっきは優しい怪物だったけど「今度はほんとに怖いよ、猫又という猫のおばけの話です」と言うと、「知ってる!」の声。

 ほんとに怖い猫又を退治に侍がでかけていく話。途中の家に住んでいる婆さんに「猫又を退治に行く」と言うと、「矢を何本持っているのか」ときいてきた。侍は怪しいと思って、ほんとは12本持ってきたが10本と嘘をついた。

 果たして、その婆さんが実は猫又だった。10本の矢を数えながら半鐘ではね返し、これで終わりだろうと半鐘をぬいで飛びかかってきたが・・・

「でも、ほんとは矢はあと何本残ってるんだっけ?」と子どもたちにきくと、一斉に

「2本!」と答えてくれた。見事なほど皆で声を合わせて。こういうのって快感だ。

 あとでOさんにきいたところによると、「これ、ホントの話?」と盛んに気にしている子がいたとのこと。怖かったかな。

 

『わるわるイッサイ』

わるわるイッサイ

 これは私の大好きな佐々木マキさんの絵本。乱暴者でみんなに迷惑をかけているサイのイッサイ。なんとか懲らしめようと、女の子のきのこちゃんが一計を案じる。ダンボールとカーテンを用意して偽の岩を作るところでは、子どもたちはみんな「あ、そうして崖から落とそうとしてるんだな」とわかった様子。

 そして、その通りにイッサイがまんまと引っかかって、突進して・・・そこでどうなるか、ちょっと時間を置いてもったいつけてみた。

 イッサイは崖から落ちたのか、死んだのか?

 期待をもたせてパッとページをめくると、なんと想像を絶するオチで、子どもたちは大笑い。しかも、裏表紙でもまた笑った。

 楽しい絵本だなあ。

 

 

 

 

朝の読書タイム:5年1組(第2回)

◯ 絵本 『きつねのホイティ』 シビル・ウェッタシンハ/作、松岡享子/訳

 

 教室へ行くと、みんなテスト直しなどで忙しそう。先生は「15分からですよね?」とおっしゃって、ギリギリまで入れてもらえなかったので、本当に10分しか時間がもらえなかった。仕方ないんだけどね。

 

『きつねのホイティ』

きつねのホイティ (世界傑作絵本シリーズ)

 そういうわけで、今日はこの1冊だけ。これは10分かかる。

 何年か前に児童館で読んだことがあったので、覚えている子もいたようだ。

 スリランカのキツネは葉っぱを頭に乗せてドロンと化けたりしないんだな。物干しに干してあった着物を身にまとって人間に化けたつもりなのだ。

 このちょっと抜けてて憎めないキツネと、気のいい3人のおかみさんたちの話。全体的に明るくて、楽しい話だ。

 私のお気に入りの絵本。

 10分。

 

 

朝の読書タイム:2年1組(第3回)

◯ 絵本 『つきよ』 長新太

◯ 絵本 『つきよに…』 多田ヒロシ

◯ 絵本 『かぞえうたのほん』 岸田衿子/文、スズキコージ/絵

◯ 絵本 『こんにちワニ』 中川ひろたか/文、村上康成/絵

 

 ざわざわしていたが、私が入るとすぐに落ち着いた。10数えるうちに見やすい場所に移動して、聴く体制が整った。

 今日はお月見特集。

 

『つきよ』

つきよ (スピカのおはなしえほん (13))

 主人公(?)のタヌキがとても小さく描かれているので、初めは指し示して、絵本をぐっと前に出して確認させた。

 その後も、1ページ毎に絵をよく見せる時間を取った。月が池に入ったり、潜ったり船になったり、いろいろ変わるので、子どもたちは「目みたい」とか「バナナ!」とか、それぞれ想像を膨らませていた。

 

『つきよに…』

つきよに… (ことばあそびのえほん)

 「つきよに ぼうさん かねつきました」「つきよに ふくろう まごつきました」で始まり、「つき」が付く言葉をつなげながら、ちゃんとストーリーができている。主にタヌキとキツネの攻防なのだが、言葉だけではわかりにくいところを、絵が補っている。2年生は、どこまでわかったかな?

 この絵本は品切れ中なので、図書館でしか見られないのが残念。

 

『かぞえうたのほん』

かぞえうたのほん (日本傑作絵本シリーズ)

 これは定番絵本。「覚えてる?」と聞いたら、「えっと、なんとなく」ぐらいの反応だった。もっと頻繁に読めると良いのだけれど。

 今の子どもたちは、1,2,3・・・は分かるのだが、ひとつ、ふたつ、みっつ・・・の数え方がよくわからない子が多い。こういう数え歌で親しんでもらえるといいな。

 

 『こんにちワニ』

こんにちワニ (わははは!ことばあそびブック)

 最後の締めはやっぱりこれ。これは「あ、知ってる」と嬉しそうに声を上げていた。

 楽しく終えることができた。

 

12分ぐらい?