Oさん◯ 絵本『まってる まってる』 高畠那生
Oさん◯ 紙芝居 『たのきゅう』渋谷勲/脚本、藤田勝治/絵
私 ◯ 素話 『タヌキ侍』 愛媛県の昔話
先月までは、4時になるともう暗くなってきていたのに、今日はまだまだ明るかった。確実に日が長くなっている。風が強くてまだ春の気配はないけれど。
外で遊んでいた子どもたちを中に集め、春の歌を歌ってからおはなし会。今日は50人近くいた。
『まってる まってる』
まず、Oさんから。いろんな人や動物が行列して待っている。いったい何のため?
次のページでヒントが少し見える。初め、私はそれに気づかず、どうして子どもたちが当てるのか不思議だった。子どもはすぐに気づくんだなあ。
当てた子は得意そうで、盛り上がっていた。
ドーナツやリンゴを食べ過ぎた人たちが次に並んで待っていたのは・・・。これはヒントなしでもみんなすぐわかったみたい。
『たのきゅう』
これは知っている子もいたが、静かによく聞いていた。
たのきゅうは、ウワバミの化けものにタヌキと聞き違いされ、化けてみせるハメになる。たまたま持っていた芝居の衣装や小道具でお侍や娘やお坊さんに変身して見せ…。
自分の本当の弱みは絶対にばらしてはいけないという教訓かな? 落語の「まんじゅうこわい」にちょっと似ている。
★ここで私に交代。Oさんが「たのきゅう」を演じると聞いていたので、今日はタヌキで統一するプログラムを組んできた。
『タヌキ侍』
まず、「取らぬ狸の皮算用」ということわざを知っているかどうか聞いてみると、誰も知らなかった。それで簡単に説明をしてから話し始めることにした。
この昔話は、とても単純だけどおもしろい。タヌキの穴を見つけた籐吉が、タヌキを1匹とったら1日飯が食える、2匹とったら2日・・・と皮算用をしてタヌキを取ろうとするが、なぜかタヌキの穴から出てくるのは立派な着物を着たお侍さんばかり。
「ごめん、籐吉、通るぞ!」
「ははぁー」(ひれ伏す身振り)
を7回繰り返すと、子どもたちはすぐに「それ、タヌキだよ」「化けてんじゃないの」と見抜いた。
そして、オチでその通りだとわかると嬉しそう。得意そう。かわいいものだ。
『げたにばける』
次はかわいいタヌキの絵本。新美南吉はこんな短いお話も書いていたんだ。
下駄に化けるのだけが上手な子ダヌキが下駄に化けていると、たまたま下駄の緒が切れて困っていた侍が通りかかり、その下駄を履いてしまう。子ダヌキは重くて苦しくて・・・。
子どもたちは心配そうに見ていたが、最後に侍におあし(お駄賃、お小遣いだよ、と説明した)をもらって喜んでいる子ダヌキに対し
「お金もらったからっていいのかよ」
「お金であの苦しさを忘れるのか」
などという声が飛び交った。子どもっておもしろいなあ。
25分。