チョコドーナツの読み聞かせボランティア記録

子どもたちへのおはなし会の記録です

おはなし会の記録(小学校や児童館等での絵本読み聞かせ、紙芝居、素話など)

朝の読書タイム:4年1組(第3回)

◯ 絵本 『日本の神話 第一巻 くにのはじまり』くにのは 赤羽末吉/絵、舟崎克彦/文

◯ 絵本 『もりもりくまさん』 長野ヒデ子/文、スズキコージ/絵

 

朝のうちはまだ雨が降っていなかったので、みんな外で思いっきり遊んできたみたい。汗をふきふき、「暑い」「疲れた」と言っている。

 

『日本の神話 第一巻 くにのはじまり』

日本の神話〈第1巻〉くにのはじまり

 これは、古事記を元にした日本の神話の一番最初の部分。ちょっとむずかしいかなと思ったが、4年生の国語の教科書で紹介されていたので、挑戦してみた。

 伊邪那岐(いざなぎ)、伊邪那美(いざななみ)、天之御中主(あめのみなかぬし)など神様の名前、淤能碁呂島(おのごろじま)、黄泉平坂(よもつひらさか)など地名、みな漢字で書いてあってふりがなが振ってある。読むのも大変なのだ。

 天の沼矛(あめのぬまほこ)は、言葉自体わかりにくいと思ったので、「この棒みたいな物ね」と指さしてサッと説明を加えた。

 それでも、子どもたちは静かに最後まで聴いてくれた。日本人の常識として、一応神話は知っておいたほうがいいと思う。

 終わってから「『やまたのおろち』は知ってる?」「『因幡の白うさぎ』の話は知ってる?」ときいてみたら、うなずいている子が多かったのでホッとした。

 このシリーズをもっと読んであげたいと思った。

 

『もりもりくまさん』

もりもりくまさん (たんぽぽえほんシリーズ)

 最後にまた定番のこの絵本をさらっと読んで締めた。

 

 5分も早く始めさせてくれたので、2~3分早く終わりにした。

 12分ぐらい。

 

朝の読書タイム:3年2組(第2回)

◯ 絵本 『ウェン王子とトラ』 チェン・ジャンホン/作、平岡敦/訳

◯ 絵本 『もりもりくまさん』 長野ヒデ子/文、スズキコージ/絵

 

 教室いっぱいに机が並んでいる。3年生は今年から2クラスになってしまったので、クラスの人数が多いのだ。でも、みんな行儀よく聴く体制になっていた。

 

『ウェン王子とトラ』

ウェン王子とトラ

 これはすごい絵本だ。とにかく絵がド迫力。子どもを猟師に殺された母トラが、人間を憎んで村を襲うようになる。それに対抗するために王は兵を出そうとするが、占い師は、トラの怒りを鎮めるには、ウェン王子をトラに差し出すしかないと言う。生贄にするのかと思いきや、「王子様が危ないめにあうことは、けっしてないでしょう」と。

 そのとおり、トラはウェン王子を自分の子のように育てる・・・。

 お話も劇的で、素晴らしい絵本だ。

 子どもたちもしーんとしてよく聴いてくれた。これが8分半ぐらい。

 

『もりもりくまさん』

もりもりくまさん (たんぽぽえほんシリーズ)

 残った1~2分で、定番絵本からどれを読もうかちょっと迷ったが、明るいこの絵本にした。

 残り時間に合わせて、今日は早口言葉のようにサラサラっと読んだ。なんと、私の口の滑りがすごくよくて、気持ちよく流れるように言葉が飛び出してくる。長年、何十回何百回(?)と読んできた絵本だからだけど、今日はまったく止まらずに一息に読めて、気持ちが良かった。

 子どもたちも先生も、ちょっと感心していたと思う。

 

10分。

 

 

2018年度9回目の児童館おはなし会

Oさん◯ 紙芝居 『ドッカーン カレーのしま』 本田雅也/作、はしあさこ/絵

Oさん◯ 絵本 『まんげつダンス』 パット・ハッチンス/作・絵、なかがわちひろ/訳

私  ◯ 素話 『文吾と狐』 和歌山県の昔話

私       ◯ 絵本 『きつねをつれてむらまつり』 こわせたまみ/作、二俣英五郎/絵

 

 新学期が始まった。今日は45人。疲れたのか眠そうな子もいるが、元気が有り余っているような子もいる。

 いつものように、Oさんの紙芝居から。

 

『ドッカーン カレーのしま』

ドッカーン! カレーのしま (おもしろゆかいなたべもの紙芝居)

 「アニメみたいな絵で・・・」とOさんは申し訳なさそうにしていたが、そんなに気にならなかった。

 カレーが吹き出すカレーの島で、カレーおばけがカレーを独り占めしているのを懲らしめて追い出す話。

 「カレー食べたくなっちゃう」と言っている子もいた。赤いとうがらしをたっぷり入れる場面では「辛くなるよ~」と。カレーおばけの顔もすごかった。

 

『まんげつダンス』

まんげつダンス! (世界傑作絵本シリーズ・アメリカの絵本)

 満月と聞いただけで「狼男が出る」を連呼する子がいた。

 これは、満月の夜に動物たちが順に踊る話。最後は親たちが疲れて寝た後、動物の子どもたちが起き出してきて朝まで踊る。「なんで子どもが踊るの?」と言う子がいた。

結構地味な話だったせいか、集中できない子が結構いて、Oさんは時々読むのを中断してうるさい子をじっと睨んだりしていた。これはどうなのかな。

 

ここで私に交代。

『文吾と狐』

 素話なので、顔を見ながら話せるのが強み。身振りも少し加えながら語ると、みんな聴き入ってくれた。

 あちこちに似たような話が伝わっている。キツネが娘に化けて他所の家のお客になっているところを節穴から覗いていた男が、実は牛の尻の穴を覗かされていたという話。

そこでどっと笑った。そして、もらったまんじゅうは・・・と言うと「うんこ!」と先を読む子が何人もいた。

 

『きつねをつれてむらまつり』

きつねをつれてむらまつり (スピカみんなのえほん)

 これもキツネの話だが、こちらはなんともかわいい子狐。自分では人間の子どもに化けたつもりだが、顔だけキツネのまま。ごんじいは、それをかわいく思って、お面をかぶせて一緒にお祭りに連れて行く。キツネの子は他の人達に「お孫さん」と言われるたびに嬉しそうにする。

 最後までほのぼのとして、可愛い話だった。

 

 20分ちょっとかな。

朝の読書タイム:2年1組(第2回)

◯ 絵本 『くじらのだいすけ』 天野祐吉/作、梶山俊夫/絵

◯ 絵本 『ほんとはスイカ』 昼田弥子/文、高畠那生/絵

◯ 絵本 『こんにちワニ』 中川ひろたか/文、村上康成/絵

 

 2年生ってこんなに大人だっけ? みんなきちんと用意して席について、もう本を読んでいる子もいた。

 先生が「少し早いですけど、よかったら・・・」と言ってくださったので入っていくと、本もしまって姿勢も正しくこちらに注目している。

 

『くじらのだいすけ』

くじらのだいすけ (こどものともコレクション (’64~’72))

 これは50年以上前にかかれた絵本だ。表紙と裏表紙がつながって大きなくじら(だいすけ)が描かれているので、開いて見せた。

 昔、くじらが山に住んでいた頃・・・ですって。だいすけは体が大きすぎて、動くと山が揺れて他の動物達に迷惑をかけてしまうから、いつもじっとしている。それでも、みんなと仲良く暮らしていた・・・

 迷惑をかけないようにと気を遣ってばかりいるだいすけと、そんなだいすけを取り巻く優しい動物たち。

 最後は広い海で伸び伸びと泳いで暮らすことになっただいすけ。ハッピーエンドだね。

 

『ほんとはスイカ

ほんとはスイカ

 昨日1年生に読んだもの。文字がくっついたり剥がれたりして、いろいろ変わっていくというところ、ゆっくり繰り返して読んで、わかりやすくしようと努めた。

 どこまでわかってくれたかな?

 

『こんにちワニ』

こんにちワニ (わははは!ことばあそびブック)

 締めは、やっぱりこれ。みんな嬉しそうだった。

 

 少し早めに始めさせてもらったので、数分早く終わりにした。

朝の読書タイム:1年2組(第3回)

◯ 絵本 『ほんとはスイカ』 昼田弥子/文、高畠那生/絵

◯ 絵本 『カニ ツンツン』 金関寿夫/文、元永定正/絵

◯ 絵本 『もりもりくまさん』 長野ヒデ子/文、スズキコージ/絵

◯ 絵本 『こんにちワニ』 中川ひろたか/文、村上康成/絵

 

 夏休み明け初めての読み聞かせ。1年生もなんだか大人っぽくなってきたみたい。

 もう2学期なのだが、このクラスはまだ3回目。定番絵本の紹介もあまりできていなかったので、今回はまとめて読んだ。短いものばかりなので。

 結果的に言葉遊びの絵本特集みたいになった。

 

『ほんとはスイカ

ほんとはスイカ

 スイカが「ス」の字を落として「イカ」になってしまった・・・。文字がカタカナなので、1年生には分かりにくかったかも。それでも、「イトウくん」に「ス」がついたら・・・というところでは、「すいとう!」と叫んだ子がいた。大正解。

 でも、その後何度も文字がくっついたり剥がれたりしてどんどん変わっていくところは、どこまで理解してくれたのかちょっと不安。

 

カニ ツンツン』

カニ ツンツン (こどものとも傑作集)

 これは完全にナンセンスな言葉が並んでいる絵本で、始めのうちはキョトンとしていたが、進むにつれて小さなクスクス笑いが広がっていった。もっと笑っていいのに、遠慮深いんだな。

 

『もりもりくまさん』

もりもりくまさん (たんぽぽえほんシリーズ)

  これも私の大好きな定番絵本だが、このクラスでは初めて。今日は時間もあったので、ゆっくり絵も見せながら読んだ。鮮やかで美しいスズキコージさんの絵!

 くまさんの力こぶのところでは「わあ」「すげー」と声が上がった。

 

『こんにちワニ』

こんにちワニ (わははは!ことばあそびブック)

 そして、締めはこれ!

 表紙をみせると「あ、知ってる!」の声。1学期のはじめに一度だけ読んだのだが、憶えていてくれたんだね。これで楽しく「さよなラーメン」「ごきげんヨーヨー」と終わりにした。

 

 10分ぴったり。

 

 

 

2018年度8回目の児童館おはなし会

Oさん◯ 紙芝居 『すてきなおんがくかい ーホタルのはなしー』

Oさん◯ 絵本『すいかのめいさんち』 平田昌広/作、平田景/絵

私  ◯ 素話 『へっつい幽霊』

私  ◯ 絵本 『かっぱ』 杉山亮/作、軽部武宏/絵

 

  お盆休み明けの児童館。朝から子どもたちのエネルギーが爆発していて、先生は大変だったとのこと。水筒をブンブン振り回した子がいて、厳重注意されていたり。

 それでも、おはなし会が始まるとみんな静かに集中して聞いてくれた。

 

いつものように、Oさんから。

『すてきなおんがくかい ーホタルのはなしー』

 カエルのおばさんが音楽会に行くのにネックレスをなくして困っているところ、ホタルたちが照らして探すのを手伝ってあげる。幸い見つかって、音楽会へと急ぐのだが、カエルのおばさんはホタルたちにもう一つお願いをする。音楽会で歌うときの照明を頼んだのだ。たくさんのホタルたちが美しく照らす中、音楽会は大成功。

 紙芝居の作者からの言葉のところに、カエルはオスしか鳴かないのにカエルのおばさんが音楽会で歌うのはおかしいと思われるかもしれないが、フィクションなので認めてほしい・・・というようなことが書かれていた。

 私はそれよりも、カエルってホタルを食べるんじゃないかと、そっちのほうが気になったのだが。

 まあ、そもそもカエルやホタルがしゃべったりするフィクションだから、細かいことにこだわらなくていいのかもしれない。

 

『すいかのめいさんち』

すいかのめいさんち (チューリップえほんシリーズ)

 「夏の果物と言えば?」「スイカ~!」といい反応。

  スイカを丸々1個食べたいという子どもの夢を描いていて楽しい。今日はまた夏のように暑かったので、ぴったりだった。

 皮ごとかぶりつく、というところでは「え~無理」「それじゃいつまでたっても実にたどり着かないよ」などと反応していた。

 

 ここで私に交代。

『へっつい幽霊』

 2年半前に一度語ったものだが、誰も(Oさんも)憶えていなかった。ちょっと怖い、手だけの幽霊の話で、私が自分の手を伸ばして演技を入れたので、子どもたちは茶化すこともなく真剣な顔をして聞いていた。それほど怖がっている様子もなかったけれど。

 

『かっぱ』

かっぱ (おばけ話絵本)

 次もちょっと怖い話。絵も強烈で、じわじわと怖い。ただ、今日は後ろが窓だったこともあり、光って見にくかったらしい。前の方の子が「見えない」を連発していたので、一応読んでから前にぐっと出してみんなに見えるようにした。

 父親に化けたカッパがやってくるところは不気味で、「きゅうりをたくさんくれ」と言ったときには、子どもたちは「あ、カッパだ!」と声を上げていた。

 その後、カッパが正体を表し、娘を襲ってくるところも迫力満点。

 でも、この絵本のいいところは、カッパの言い分も筋が通っているし、最後は両者納得の行く結末になっているところ。

 私の好きな絵本だ。

 

 30分弱。

2018年度7回めの児童館おはなし会

Oさん◯ 紙芝居『ばけねこやま』 山崎杉夫

Oさん◯ 絵本 『うみにいったライオン』垂石眞子

私  ◯ 素話 『オトギリソウ』 山形県の昔話

私  ◯ 絵本 『ひとつめのくに』 せなけいこ

 

 夏休み中なので、子どもたちは一日中児童館で過ごしている。特に今日は雨でプールにも入れなかったし、外遊びもできなかったので、長時間先生方も大変だっただろう。

 3時に行くと、1~3年生39人がちゃんと集まって座っていた。

 まず、いつものようにOさんから。

 

『ばけねこやま』

ばけねこやま (教育画劇のかみしばい)

 夏だから怪談を。今日は雨で涼しいけどね。ーーーと始める。

 結構知られた昔話だが、絵が大胆だし、お話も私が知っているものより怖くできている。化け猫の顔が怖い。Oさんは、襲ってくる化け猫の声もリアルに怖く演じていた。なかなかいいと思った。

 最後は逃げ切ったものの、化け猫のお湯をかけられてしまった部分は毛が生えてしまったとのこと。絵を見ると、体のほぼ半分はそうなっている。顔も片目は猫の目に・・・。

 静かに聞いていた子どもたちも、ここでは「あ、猫になってる!」「毛が生えてる」と指摘していた。怖い~

 

『うみにいったライオン』

うみにいったライオン ((日本の絵本))

 次は打って変わってかわいい絵本。ちょっととぼけたライオンと海水浴に行く男の子の話。ライオン泳ぎで泳げるんだと強がっていたライオン、実は泳げないんだと告白するところなどかわいい。大した事件も起こらないが、ライオンと二人でパラソルを開いたり貝を拾ったりお弁当を食べたり、砂のお城を作ったり、楽しく過ごす様子がほほえましい。

 終わってから、「ほんとはライオンは泳げるんだって」とOさん。確かに私もそんなことをきいたことがある。

 

ここで私に交代。

『オトギリソウ』

 これはオトギリソウという花にまつわるお話。

 仲の良かった兄弟が、同じ女の人を好きになったことから険悪になり、ついに殺し合いになってしまった。ここで子どもたちは「え~っ?!」と声を上げる。「警察来ないの?」など。

 そして、ついに兄が弟を殺してしまった。と続けると、もっとすごい反応が返ってきた。「救急車!」「自分の心臓をあげればいい」「そんなことしたら自分が死んじゃうじゃん」などなど。どうしても弟を殺したくないらしい。

 仕方なく私は、もう死んでしまったから生き返らないんだよ・・・と進める。立派なお墓を建てて毎日お参りをした・・というところでも、まだ未練があるらしく「そしたら生き返ったの?」と。

 ただのお話なのに、子どもたちが弟殺しにこんなに強烈な反応をするとはびっくりだった。

 夏になると、そのお墓の脇に黄色い花が咲く。ここでオトギリソウの写真を見せる。この端に黒い点々があるでしょう。「虫に食われたの?」との声が上がったが、これは弟の血のシミだと言われている・・・。

 この草は、煎じると傷薬になる。悲しい話を哀れんだ仏様がそういう力を与えたから。

 これは弟を切る草と書いて「オトギリソウ」と呼ばれている。

 みんなは兄弟仲良くしてね、と言うと「俺、きょうだいいない!」「隣の保育所に弟がふたりいる!」などと口々に教えてくれる。かわいいなあ。

 

『ひとつめのくに』

ひとつめのくに (せなけいこ・おばけえほん)

 見世物小屋の見世物師が、ひとつめの化け物を捕まえて見世物にして儲けようと、100里離れたところまで探しに行く。そこでひとつめの女の子を捕まえるが、女の子が叫んで助けを呼んだため、見世物師は捕まってしまう。そこはひとつめの国だったため、見世物師はふたつめの化け物として見世物にされてしまう・・・という、考えると深い話。

 みんな静かに聞いていて最後は「反対になっちゃったじゃん」と。意味はわかったんだな。