◯ 本の紹介 『二分間の冒険』 岡田淳
◯ 本の紹介 『ねこが見た話』 高楼方子
◯ 素話 『ネコの茶碗』
担任の先生はすっかり忘れていらっしゃったようだが、大部分の子は本を開いて読書していた(マンガもあり)ので、すぐに始められた。その辺は低学年とは違う。すぐに机の上を片付けて、こちらに集中してくれた。
まず、先月紹介した『ルドルフとイッパイアッテナ』を読んでみたかどうか聞いてみた。1人だけ読んでくれた子がいた。まあ、0じゃないだけ良しとしよう。
「この本もネコの話でしたが、今日は他のネコの本も持ってきました。」と始める。
ネコで統一してみたのだ。
『二分間の冒険』
これは昔、課題図書になったこともあるのだが、知っている子はひとりもいなかった。不思議なネコに出会った少年悟(さとる)が突然別な世界に連れて行かれて、竜と戦うことになる冒険物語。ただのアクションではなく、謎解きや知恵も使う、面白い話だ。竜の出した謎と、少年が竜に出した謎をそれぞれ1つずつあげて、考えてもらった。答えは出なかったけど。
私の熱意は伝わったと思うけど、紹介の仕方としては、もっときちんと組み立てて、シナリオを書いておけばよかった。やはり、いきなりだと思うように流れていかない。
さっき『ルドルフとイッパイアッテナ』を読んだと言っていた子は、ものすごく食いついて、頷きながら聞いてくれたので、ちょっと期待できるかも。
『ねこが見た話』
こちらは、字も大きめで、短いお話が4つ入っている。壮大な冒険物語よりは、もうちょっと気軽に読める不思議なお話がいいという人はこちら、と薦めた。
ネコが語り手になっていて、あちこちの家で見た不思議な話が載っている。「もちつもたれつの館の巻」のあらすじを少し話して、あとはそれぞれ題名と何の話かを紹介した。
『ネコの茶碗』
最後に、ネコが出てくる素話。
「以前児童館で下学年の子たちに語ったときには、おもしろさをわかってくれたのは児童館の先生だけだったみたいだけど、みんなは6年生だからきっとわかってくれると思う」と前置きして始める。
「目利きの人なら喉から手が出るほど欲しがる」など、ちょっとむずかしい言葉もそのまま言って、でもさりげなく易しく言い直しておいた。
最後のオチでは、くすっと笑った子、ちょっと表情が変わった子がいて、ホッとした。
帰りにもう一度図書館に寄って、紹介した本を出しておいてくれるように頼んだ。
「読んでくれない」「読む力がない」とぼやくばかりではなく、1人でも2人でも読んでくれれば前進だと思って頑張ります、と宣言してきた。