◯ 本の紹介 『霧のむこうのふしぎな町』 柏葉幸子
◯ 絵本 『めっきらもっきらどおんどん』 長谷川摂子/作、降矢なな/絵
教室へ行く前に、図書室に寄る。5年生の女の子が「(昨日の朝私が紹介した)やまんばあさん借りたよ!」と見せてくれて、嬉しかった。
さて、予定通り柏葉幸子さんの『霧のむこうのふしぎな町』『地下室からのふしぎな旅』『天井うらのふしぎな友だち』『かくれ家は空の上』の4冊を借りて、6年2組の教室へ向かった。
感心なことにみんなちゃんと席について読書をしている。おかげですぐに始められた。
小学校の図書館にあるのは、↑ハードカバーのこれなのだが、今は青い鳥文庫のしか手に入らないようだ↓
挿絵がガラッと変わっていてショック。まあ、今風に可愛くなっているのは許すとしても、主人公のリナがこんなに痩せっぽちなのは許せない。だって、ピコットばあさんに初めて会った時、
「かわいい顔でもなし、かみぐらいきちんとしてなきゃ、見るとこないね。
それにふとりすぎだ。あんたの部屋のベッド、こわれなきゃいいが。」
と言われて泣きそうになるんだよ。リナ自身も太っているのを気にしているようだし。 ちなみに、元の挿絵ではちゃんとぽっちゃりした女の子が描かれている。
何はともあれ、まずはこの本の紹介を始める。
この主人公の女の子リナは、毎年夏は長野のおばあちゃんちで過ごすんだけど、今年はお父さんが「毎年長野へいくんだから、ことしは霧の谷へいってみろ。たまにはかわったところもいいもんだぞ。」と提案してきた。お父さんの知り合いがいるんだそうです。それで、リナは一人で霧の町に行くことになります。
霧の谷ってどこなのかわからないけど、静岡の家から東京と仙台で乗り換えたってかいてあるんです。それに、降りた駅の人達の言葉が「そんだなごどもねんだっとも・・・」って感じだから、東北のどこかですよね。仙台からどこ行きの電車に乗ったんでしょうね。
さて、駅に誰か迎えに来ていると思ったのに、誰もいません。仕方なく駅の人に尋ねて、途中までリアカー付き耕うん機に乗せてもらって行くことにします。その後はまっすぐ登っていけばいいからと言われたのですが、そのうち霧に包まれて・・・
という感じで、霧の谷に着くところ、ピコットばあさんに会うところ、霧の谷の住人たちのことなどチラッと説明した。
そして、同じ柏葉幸子さんの、似たようなファンタジーだということで『地下室からのふしぎな旅』『天井うらのふしぎな友だち』『かくれ家は空の上』も紹介した。内容の説明はなしで、「主人公は違うけど、どれも不思議な世界に行ってふしぎな出来事に出合う話です。どれから読んでも大丈夫ですよ」と言っておいた。
ふと「6年生になってから、本を1冊でも読んだ人? 教科書や雑誌やマンガ以外でね。」
と聞いてみた。すると、意外なことに(多分)1人を除いて全員が手を上げた。あれ?図書の先生は今の子どもたちは全然本を読んでくれない、といつもぼやいているのに、実際は結構読んでいるんじゃないの?! 希望が見えてきた。
少し時間が余ったので、関連して用意してきた絵本を読むことにした。不思議な世界に迷い込む話つながりで『めっきらもっきらどおんどん』、リナを導くように飛んでいった不思議な傘から傘つながりで『おじさんのかさ』。この2冊を出して、どちらがいいか聞いてみたら、圧倒的に『めっきらもっきらどおんどん』だった。
『めっきらもっきらどおんどん』
これもロングセラーで超有名な絵本だと思うのだが、この6年生で知っている子は一人もいなかった。うーむ。
遊ぶ友だちがいなくて退屈してめちゃくちゃな歌を歌ったら、不思議な世界に飛び込んで、3人のおかしなお化けたちと遊ぶことになった「かんた」。降矢ななさんの見事な絵と、長谷川摂子さんの調子のよい言葉運びがぴったり合って、楽しい絵本。
最後に「おかあさーん」と叫んで元の世界に戻る。その後、かんたはもう一度あの3人に会いたくても、あのめちゃくちゃな歌を思い出せない。
なんだか、共感を呼ぶような終わり方で、いいな~と思う。
13分ぐらい。
ちょっと時間オーバーしてしまった。