今朝、隣のクラスで読み聞かせをしたSさんが持ってきた絵本を見せてもらった。「なんサイ?って尋ねていくダジャレの絵本だよ」というので、私は一瞬、別の絵本を思い浮かべた。正直言って、私が受け入れがたいやつ。
『いま、なんさい?』 ひがしちから
今日が5歳のお誕生日のゆきちゃん。みんなに知ってほしくて、「わたしは、いま、なんさいでしょうか?」と聞いて回る。
でも、大人達はわざと「はくさい」「ぼんさい」「おならくさ~い」などとダジャレでからかう。
それがおもしろいのかもしれないけれど、私はゆきちゃんがかわいそうでたまらなかった。1回ぐらいなら笑って済ませるのかもしれないけど、ここまで執拗にはぐらかされると・・・。ゆきちゃんは真剣なのに、大人がイジメているような感じ。結局ゆきちゃんは泣いちゃう。最後に「お誕生日おめでとう!」って種明かしされても、(私がゆきちゃんなら)その前の悲しみは上書きされないと思う。
それでも、この絵本は大人にも子どもにも喜ばれているらしい。私は、好きになれない。
Sさんが持ってきたのは、それとは違う絵本だった。
『ママ、なんサイ?』 越智あやこ/文、丸山誠司/絵
これは、女の子がママに歳を尋ねる話。ママは答えたくないのだろう、ダジャレではぐらかすのだが、そのダジャレには、ちゃんとストーリー性があっておもしろいのだ。
幼稚園から帰ってきた場面から始まり、お母さんは料理しながら「てんサイ」(料理の天才なんだね)と答える。でも、その後「こげくサイ」って焦がしちゃうし、「かつしかほくサイ」で浮世絵の波が出てきたと思ったら、次はその波でサーフィンをして「はくしゅかっサイ」だって。そんな風に、女の子も一緒にダジャレの世界で大冒険しちゃうのだ。
最後の場面では、ママがこっそり耳打ちしている絵があり、ああ、ここでホントの歳を教えてるのだなと思う。
私はこの絵本は大好き。