チョコドーナツの読み聞かせボランティア記録

子どもたちへのおはなし会の記録です

おはなし会の記録(小学校や児童館等での絵本読み聞かせ、紙芝居、素話など)

2018年度12回めの児童館おはなし会

Oさん◯ 紙芝居 『どんぐりとやまねこ』

         宮沢賢治/原作、堀尾青史/脚本、渡辺有一/絵

Oさん◯ 絵本 『たったひとつのどんぐりがーすべてのいのちをつなぐー』

         ローラ・M:シェーファーとアダム・シェーファー/文、

         フラン・ブレストン=ガノン/絵、せなあいこ/訳

私  ◯ 素話『どんぐりを噛んだ音』 埼玉の昔話

私  ◯ 絵本 『くまおじさん』こさかまさみ/作、池谷陽子/絵 こどものとも2009年11月号

 

 久しぶりに大勢の子ども達がいた。58人ぐらい。厳しい館長先生がお休みだからか、思ったことを全部口に出す男の子たちも何人かいて、ざわつき気味。

 今日はOさんが”どんぐり”つながりで選んできたので、私もそれに合わせて考えた。

 

いつものように、Oさんの紙芝居から

『どんぐりとやまねこ』

どんぐりとやまねこ (宮沢賢治かみしばいの森)

 宮沢賢治原作のものなので、結構長い。子どもたちはざわざわしてなかなか集中しない。Oさんの声も負けそう。そんなときに山猫の「やかましい!」にビクッとして一瞬静まるところはかわいい。

 そして、どんぐりが一面に描かれている場面になると「でぶ」や「ちび」などの言葉に反応したのか、グッと惹きつけられて「でぶ、あれだ!」などと言い始めた。そこからは何とか最後までよく聴いていた。

 

『たったひとつのどんぐりがーすべてのいのちをつなぐー』

たった ひとつの ドングリが (児童図書館・絵本の部屋)

 長い紙芝居の後で難しい科学絵本だったらどうしようと思ったが、さすがOさん、ちゃんと考えてきた。これは、確かに環境問題を考えさせる科学絵本だが、字は少なく、テンポよく話が進む。そして、とにかく美しい絵で圧倒する。

 子どもたちもよく見ていて、いろいろ気づいたことを口に出していた。

 

 ここで私に交代。素話から。

『どんぐりを噛んだ音』

 子どもたちの顔を見て、話し始めると、しゃべったりふざけたりしていた子たちもすぐにこちらに集中してくれた。

 話は単純なので、ところどころ間をおいて子どもたちに推測させる時間を数秒とったりした。天井裏に隠れて寝ていた正直爺さんが下で声がするので目を覚ますと、下にいたのは・・・・「鬼!」とすぐに正解が飛んできた。

 怖くて歯がガチガチ鳴るのを防ごうとどんぐりを口に入れて「カリッ」と音を立ててしまうところなどは、臨場感があってみんな惹きつけられていた。鬼に見つかるんじゃないかとドキドキしている様子がわかった。

 正直爺さんがうまいこと鬼の金銀を手に入れて家に帰り、お婆さんと数えていると、そこへやってきたのは・・・・「鬼!」と大きな声がいくつか。どんだけ鬼にこだわるんだ?最初に「正直爺さんと欲張り爺さんが隣同士で住んでいました」って言ったのに。でも、ちゃんと「欲張り爺さん!」と答えてくれた子もいた。

 

『くまおじさん』

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 この調子なら、ちゃんと聞いてもらえそうだ、と安心してこの絵本。

 絵がダイナミックですごい。電車にくまが乗ってくると「くまだ!」「食われる」と心配する子が。

 そのくまおじさんが、切符を探してポケットをひとつずつ確認してリスが出てくるところでは「リスが食ったんだ」その後もずっと「切符はリスが食った」と言い続ける子。でも「帽子だ」という子もいて、それぞれ。

 最後にくまおじさんが降りるときの台詞に「ぼくら、まちへマフラーをかいにいくんだ」とあって、私は「ぼくら」のところで思わず止まってしまった。

 え?くまおじさんの台詞じゃなかったの?なんで「ぼくら」? 

と疑問に思ったのだ。前に読んだときは気にしなかったのだが「ぼくら」になっている。

 でも、ああ、そうだ。くまおじさんはポケットにリスとヤマネを連れていたんだった。と思い出して、それをさらっと説明して続きを読んだ。

 止まって無言になっている間、数秒間だったけれど、みんなもびっくりして沈黙だった。ごめん。

 

25分。