チョコドーナツの読み聞かせボランティア記録

子どもたちへのおはなし会の記録です

おはなし会の記録(小学校や児童館等での絵本読み聞かせ、紙芝居、素話など)

今年度10回目の児童館おはなし会

Oさん◯ 紙芝居 『ハロウィンのかぼちゃ』ますいさちみ/脚本、スズキコージ/絵

 Oさん◯ 絵本 『とてもおおきなサンマのひらき』 岡田よしたか

私    ◯ 素話 『話し好きの殿さま』

私    ◯ 絵本 『おじいさんのつるつるかぼちゃ』 立岡佐智央/文、立岡月英/絵 (「こどものとも」1998年5月号)

 

 今日は土曜日の学習発表会の振替休日。親が働いている登録児童は朝からずっと児童館で過ごしている。44人いた。いつもより早く3時からおはなし会を始めることにした。

 

 いつものようにOさんから。

『ハロウィンのかぼちゃ』

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 これは今月発売されたばかりの紙芝居。ハロウィンに合わせたのだろう。ジャック・オー・ランタンの由来についてのお話だ。

 1ぴきの悪魔が、酔っ払って歩いているジャックの魂を食べようとするが、ずる賢いジャックの策略にまんまとはまってしまい、なかなか魂を食べることができない。結局ジャックの魂を取らないと約束させられたり、最後はジャックがどんな悪いことをしても地獄に行かないように念書を書かされたり・・・。

 これは、とにかく絵が素晴らしい。もともと私はスズキコージさんのファンだが、紙芝居にするとなおさら素晴らしさが引き立つ。一枚一枚飾っておきたいぐらいだ。

 最初はざわついていた子どもたちも、やがて惹き込まれていった。

 

『とてもおおきなサンマのひらき』

とてもおおきなサンマのひらき

 『ちくわのわーさん』などで大人気の岡田よしたかさんの絵本。これも奇想天外でおもしろい。

 絵もダイナミックでこのサンマの開きは「とてもおおきな」と言っても度を越している。

 子どもたちからは「すげー!力持ち」などと声が上がった。

 その巨大なサンマの開きを家族で食べようとすると、サンマは開いたり閉じたりして暴れだし、逃げ出してしまう。

 翌日、今度はとても大きなスルメを買ってくるのだが・・・。 

 予想したとおりの展開に子どもたちは大喜び。でも、とても大きなたい焼きがあんこを吹いて暴れるところでは「普通、たい焼きって動かないんだけどな・・・」と突然現実的なつぶやきが出て、おもしろかった。この絵本、すべてが「普通」じゃないから!

 

 ここで私に交代。

『話し好きの殿さま』

 いつもの通り素話から。子どもたちも分かっていて「お話?」と。

 お話好きの殿様が家来たちにお話を聞かせてくれと毎日ねだるので、もう話す話がなくなってしまった。そこで「殿様に『もうお話はたくさん』と言わせるほどお話をしたものには、褒美としてお姫様と結婚させる」とお触れを出した。

 そこへ現れた若者が話しだしたのは・・・。

 昔から「終わりのない話」としてよくあるタイプの話だが、ドングリの話なので今の季節にちょうどいいと思って持ってきた。

 「ブナの木からドングリが1個落ちて、石にコツンと当たり、ポチャンと池に落ちました」の繰り返し。

 子どもたちが飽きるほど繰り返し、「しばらくすると、なんと・・・」ともったいをつけてから「ブナの木からドングリが・・・」をやったら、笑ってくれた。

 

『おじいさんのつるつるかぼちゃ』

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 カボチャつながりでこの絵本を持ってきた。

 おじいさんが植えたカボチャはどんどん伸びていって隣の家で実をつけ、そのまた隣で・・・と町中に広がってカボチャでいっぱいに!

 すごいことなんだけど、みんなカボチャを歓迎していて、楽しい雰囲気に満ちている。唖然としているうちに楽しく終わるのだ。

 子どもたちもびっくりしていた。

 

 30分。

 

 

朝の読書タイム:4年1組(第2回)

◯ 絵本 『ふくろうとにわとり』唯野元弘/文、毛利将範/絵

◯ 絵本 『ざぼんじいさんのかきのき』 すとうあさえ/文、織茂恭子/絵

◯ 絵本 『こんにちワニ』 中川ひろたか/文、村上康成/絵

 

 担任の先生は転入生の世話にかかりきりでバタバタしていたため、代わりの先生がいらした。子どもたちも「転入生?」などとちょっと落ち着かない様子だった。

 それでも、全員席に着くと初めからこちらに集中してくれた。

 

『ふくろうとにわとり』

ふくろうとにわとり (チューリップえほんシリーズ)

 「日本民話より」とあるが、あまり聞いたことのないお話。岩屋から出てこないお日さまを起こしに行くところなんかは、天の岩戸の話にちょっと似ている。

 でも、ここでは起こしに行くのは鳥たち。ニワトリも一緒に行きたがったが、空を飛べないということで置いて行かれてしまう。仕方なく、村で一番高い屋根の上から「おひさま こーい、 ここへ こーい、 コケコッコー」と大きな声で叫び続ける。

 お日さまは、その声と迎えに来た鳥たちのお陰ですぐに出てくるので、結構単純。ニワトリがなぜ朝を告げるようになったか、フクロウがなぜ夜しか活動しなくなったか、その理由付けのお話になっている。

 

『ざぼんじいさんのかきのき』

ざぼんじいさんのかきのき (のびのび・えほん)

 4年生ではどうかな?と、またこれを読んでみた。思ったより食いついてきた。 

chocolate-doughnuts.hatenablog.com

  話が進むに従って、次がどうなるか予測して興奮してきたみたい。「次は枝だよ」「切っちゃうんじゃない?」などと声が聞こえた。

 これはいい絵本だなあ。買ってよかった。

 

『こんにちワニ』

こんにちワニ (わははは!ことばあそびブック)

 最後は定番のこれ。取り出すと「あ、それ!」と嬉しそうな声が上がる。

 一緒に声を合わせて(ツッコミを入れてくれる子もいたが)、楽しく締めた。

13分。

 

朝の読書タイム:3年1組(第1回)

◯ 絵本 『ざぼんじいさんのかきのき』 すとうあさえ/文、織茂恭子/絵

◯ 絵本 『かぞえうたのほん』 岸田衿子/文、スズキコージ/絵

 

 先生がいらっしゃる前から、自分たちで声を掛け合って席につき、用意をしてくれた。おかげで少し早く始められた。

 

『ざぼんじいさんのかきのき』

ざぼんじいさんのかきのき (のびのび・えほん)

 先週の2年生に続いて、3年生にも読んでみた。 

chocolate-doughnuts.hatenablog.com

  初めのうちは「じいさん?」「柿の実まだ緑色」などいろいろ口に出してガヤガヤしていたが、すぐに絵本に集中して、シーンとなった。

 ページをめくるごとに、「次はどうなるんだろう?」とワクワクしている様子がよくわかった。

 今、ちょうど柿が色づき始めているので、この絵本がぴったりだ。「家に柿の木がある人?」と聞いたら、数人が手をあげた。「ばあちゃんちにはある!」などという子もいた。

 

『かぞえうたのほん』

かぞえうたのほん (日本傑作絵本シリーズ)

 これは私の定番なのだが、このクラスでは2年前に一度読んだきりだった。子どもにとっては2年は大昔なので、覚えていなかったみたい。

 扉のところにスズキコージさんのサインがあるのだが、日付が2007年になっている。「みんな、まだ生まれてないよね」

 読み始めると、楽しそうに笑いながら聞いていた。中でもやっぱり「へんなひと かぞえうた」が人気で、一番よく笑った。

 

 12分。

 

2017年度9回目の児童館おはなし会

Oさん◯ 紙芝居 『えのなかのゆうれい』 古川タク

Oさん◯ 絵本 『ワニぼうやのやまのぼり』 内田麟太郎/文、高畠純/絵

私  ◯ 素話 『うそつきサギ』インドの昔話

 

 日が短くなってきた。いつもと同じ4時半なのに、もう日が暮れかかっている。外が暗いと室内の雰囲気も変わる。43人の子どもたちがいて、外で遊んでいた子もみんな集まっておはなし会を始める。

 

 初めにOさんから。

『えのなかのゆうれい』

えのなかのゆうれい (おもしろ妖怪、お化け紙芝居)

 道具屋の留守番を頼まれたちゅうべえさん、可愛い女の子が描いてある絵を見つけて、「こんな女の子と遊びたいなあ」とつぶやくと、女の子が絵から飛び出してきた。

 昔話かと思ったら、そうではなく、2種類に見えるだまし絵のようなもので遊ぶ紙芝居だった。初めのうち、子どもたちはよく意味がわからなかったようだが、2枚めの絵ではすぐに見破った。

 最後の方、演じ方がちょっとむずかしくて、練習してきたというOさんも戸惑っていた。

 

『ワニぼうのやまのぼり』

ワニぼうのやまのぼり

 これは、まさに秋の絵本。色とりどりに紅葉した山が主役。ワニぼう一家が秋の山にハイキングに行くと、なんと、山が立ち上がって、一緒に山登りを始める。

 「山がやまのぼり?」と子どもたちも驚いていた。単純な話だが、色鮮やかな紅葉がきれいな絵本。

 

 ここで私に交代。

『うそつきサギ』

 稲刈りが進みつつある田んぼを見ていたら、白鷺があちこちにいて、久しぶりにこの話を語りたくなった。1年半前に児童館で語ったものだが、当時の1年生は今は3年生であまりいないだろうし、いても多分覚えていないと思う。

 

chocolate-doughnuts.hatenablog.com

 

 今日は、まずサギの写真を見せて「この鳥、知ってる?」と聞くと、何人かの子が「サギ」「シラサギ」と答えてくれた。

  そこから始める。さっきまでちょっとガヤガヤして落ち着かなかった子どもたちも、びっくりするくらい集中して聞いてくれた。(1人だけ眠さに耐えかねて船を漕いでいた子がいたが)

 途中、「食べたんだ!」「え?だましてるんじゃない」など声を上げている。「うろこッて何?」と聞かれたのはちょっと意外だったが「魚の表面についている固い皮みたいなの。一枚一枚剥がれるんだよ」と説明した。

 子ガニがサギの首をハサミで締め付ける場面では「殺したの?」と。お話にのめり込んでいる様子。

 最後に「さあ、子ガニはサギを許してあげたでしょうか」と聞いてみたら、

「許さない!」「絶対許さない!」の大合唱だった。

 

 

 

朝の読書タイム:2年2組(第2回)

◯ 絵本 『ざぼんじいさんのかきのき』 すとうあさえ/文、織茂恭子/絵

◯ 絵本 『カニツンツン』 金関寿夫/文、元永定正/絵

◯ 絵本 『こんにちワニ』 中川ひろたか/文、村上康成/絵

 

「見えるところに行っていい?」と椅子を持って前に来るのはいいけど、前に出すぎじゃない? 私の足元まで来ちゃって、かえって見にくいと思うんだけど。

 

『ざぼんじいさんのかきのき』 

ざぼんじいさんのかきのき (のびのび・えほん)

 ざぼんじいさんの柿の木に美味しい柿がたくさんなるのだが、独り占めして誰にも分けてくれない。

 そんなざぼんじいさんの隣に引っ越してきた陽気なまあばあさん。ざぼんじいさんが意地悪でくれた柿のへたを喜んでもらっていき、子どもたちと楽しそうに・・・。

 次にどうなるか、予想しながら聞いているようだった。それをいちいち口に出すのでかわいい。

 最後の、種をまいている場面では「手からビームじゃん」「まあばあさんにかけてるじゃん」などと笑っていた。

 この絵本は秋にはいつも読みたいので、購入した。

 

『カニツンツン』

カニ ツンツン (こどものとも傑作集)

 これは私の定番だが、このクラスでは初めてだった。子どもたちはちょっと戸惑って、「何語?」「英語?」「カニがついてきてる」などと言っていた。だんだんおもしろさが分かってくるだろう。

 

『こんにちワニ』

こんにちワニ (わははは!ことばあそびブック)

 最後は締めの一冊。先生に止められないうちにサッと始めた。

みんなで楽しく唱和して、また「早い~」と言われつつ、おしまい。

 

10分。

 

朝の読書タイム:1年2組(第2回)

◯ 絵本 『あめのちゆうやけ せんたくかあちゃん』 さとうわきこ こどものとも2013年4月号

◯ 絵本 『ぞうくんのあめふりさんぽ』 なかのひろた

◯ 絵本 『かぞえうたのほん』 岸田衿子/文、スズキコージ/絵

 朝から雨降りだったので雨の絵本を揃えた。どちらも有名な絵本のシリーズなので、皆知っていたようだ。「保育園にあった~!」などと叫んでいた。

 

『あめのちゆうやけ せんたくかあちゃん

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 相変わらず元気いっぱいのせんたくかあちゃん。せんたくするものがないかと探していると、川を流れてくるふしぎなものを見つける。

 洗って干してみると、それは星たちと月だった。

 ほんとに内容を知っている子がいて、先を言っちゃったりしたが、そんなに気にならなかった。絵をよく見せながら、ゆっくり読んだ。

 

『ぞうくんのあめふりさんぽ』

ぞうくんの あめふりさんぽ (こどものとも絵本)

 これも「ぞうくんのさんぽ」シリーズでおなじみ。やっぱり知っている子が多かったが、次々背中に乗っていくのがおもしろいのは変わらない。わかっていても「ええ?!」と叫んでしまうのだ。

 最後にカメくんの背中にみんなが乗った時には・・・・。

 

『かぞえうたのほん』

かぞえうたのほん (日本傑作絵本シリーズ)

 これは私の定番絵本だが、このクラスではまだ初めて。先生が時間を気にしているのが感じられたので、ちょっと早口で読んだ。「かぞえうた」というものにあまり馴染みがない子が多いらしく、「ダジャレ?」などと言っている。でも、よく笑ってくれた。

 先生は余程あせっていたのか、私が本を閉じるやいなや「はい、今日も楽しいお話でしたね」と間髪入れずに引き取っていった。なんだかな~。

 子どもたちは「早い~」と不満げだったが。

 

10分。

 

朝の読書タイム:4年2組(第2回)

◯ 絵本 『わすれられないおくりもの』 スーザン・バーレイ/作、小川仁央/訳

◯ 本の紹介 『へんてこもりにいこうよ』 たかどのほうこ

◯ 絵本 『こんにちワニ』 中川ひろたか/文、村上康成/絵

 

 教室いっぱいに机が詰まっているが、始めようとしたら見えやすいところに移動したいという。後ろの方の子が体だけササッと前に寄ってきた。机は動かせないし、椅子を持って移動するのも隙間があまりなくて大変だからだろう。

 

『わすれられないおくりもの』

わすれられないおくりもの (児童図書館・絵本の部屋)

 初めに、しんみりした話を読むことにした。これは死をテーマにしたもの。でも、湿っぽくなくて前向きで、説教臭くもなくて、いいと思う。

 死をテーマにした絵本では、最近賛否両論で話題になった『ママがおばけになっちゃった』があるが、私は『わすれられないおくりもの』の方が好き。死は軽く扱うものではないと思うから。

 4年生の子どもたちはシーンとしてよく聞いてくれた。

 

『へんてこもりにいこうよ』

へんてこもりにいこうよ (おはなしカーニバル 10)

 私の大好きな、たかどのほうこさんの幼年童話。しんみりしたお話の後に楽しい本の紹介・・・と思って持ってきた。

 「へんてこもり」で動物しりとりを始めた4人組。初めのうちはうまく進んだが「ま」で思いつかなくなった子が苦し紛れにデタラメに言った「まるぼ」。そんな動物いないよね、と皆に言われて笑われたところへ、なんと「まるぼ」が現れて・・・。

 絵を見せながら話すと、子どもたちは大笑い。興味を持ってくれたようだった。続きは自分で読んでね。

 これは、字が大きくてひらがなばかりだから、小学校低学年でも読める本なので、普段あまり本を読まない4年生でも楽に読めるはず。それでいて、内容は決して幼稚ではなく、大人でも楽しいくらい。だからこれが、本に親しむきっかけになってくれたらいいなと思う。

 

『こんにちワニ』

こんにちワニ (わははは!ことばあそびブック)

 そして、締めはやっぱり定番のこれ。一緒に唱和して終わりにした。

 

10分。