正直言って、私は外国の絵本はあまり得意でないのだが、これは大好き。この絵を見ているだけで、楽しくなっちゃう。
『きつねのホイティ』 シビル・ウエッタシンハ/作、松岡享子/訳
今、表紙を見たら、ちょっとこわそうなキツネに見えるんだけど、実際はそんなことないの。意外と単純で憎めないキツネなのだ。
作者はスリランカのシビル・ウエッタシンハさん。スリランカってこんなにのんびりして楽しそうなところなのかな~。
スリランカの小さな村が舞台で、そこに住む3人の元気のよいおかみさんたちと、くいしんぼうキツネのホイティのお話。
ホイティは干してあった洗濯物を身につけて人間に化け、「旅の者でございます」と言って一人のおかみさんの家を訪ね、ちゃっかりご馳走になる。うまくだましてお腹いっぱいになったとご機嫌のホイティは歌を歌って跳びはねながら森へ帰っていく。
ところが、おかみさんはしっぽを見てキツネだと見抜いていた。そして、キツネが人間の服を着てうまく人間に化けたつもりなのがおかしくて、ご馳走しながら笑っているのだ。
他のおかみさんたちもそれを聞いてキツネが来るのを心待ちにして、騙されたふりをして笑いながらもてなす。
ところが・・・・
最後もなんだかほほえましくて、楽しい気分になる。
それにしても、魅力は絵なんだよね。色使いが明るくて、登場人物たちはよく笑っている。キツネのホイティなんか、すまして人間に化けているところも、いい気になって歌って踊りながら帰って行くところも、笑いを誘う。
この絵本にも繰り返し歌が出てくるので、読み聞かせをするときには、どんな節にするかちゃんと考えて練習しておかないといけない。楽しいウキウキした感じで歌うといいと思う。私は長年読んでいるので、すっかり歌い方は定まっている。
すっかりシビル・ウエッタシンハさんのファンになった私は、月刊「こどものとも」に彼女の作品が出ると嬉しくて必ず買っている。