チョコドーナツの読み聞かせボランティア記録

子どもたちへのおはなし会の記録です

おはなし会の記録(小学校や児童館等での絵本読み聞かせ、紙芝居、素話など)

今年度12回めの児童館おはなし会

Oさん◯ 紙芝居 『ヒョウのあたらしいいえ』 降矢洋子

Oさん◯ 絵本 『どんどん どんぐり』西沢杏子/文、飯村茂樹/写真

私  ◯ 素話 『この正直者め!』 日本昔話

私  ◯ 絵本 『はいいろこくの はいいろひめさま』 佐々木マキ

 

 4時からということだったが、子どもたちに外で一走りさせてから集合させていたため、実際に始まったのは4時15分頃。もう暗くなりかけていた。寒いのに子どもたちは元気が有り余っている様子。

 

『ヒョウのあたらしいいえ』

ヒョウのあたらしいいえ―アフリカの民話 (ともだちだいすき)

 「いかにも真面目っていう内容なんだけど、絵がすばらしいので持ってきたの」とOさん。確かに素晴らしい絵だ。無知な私は知らなかったのだが、降矢洋子さんは降矢ななさんのお母さんだそうだ。

 最初の画面からして、ヒョウの顔がドアップになっていてすごい迫力。その後、いろんな動物たちが出てくるが、どれも結構リアルで美しいのに、服を着てクワを持って働いていたりして、そのギャップがおもしろい。

 特にカバが印象的で、子どもたちも「カバ!」「カバ!」と反応していた。

 お話は、いかにも教訓的。自分が王様だと威張って、他の動物たちに家を作らせたヒョウは、出来上がるとお礼も言わずに動物たちを追い出して家の中で昼寝を始める。動物たちは苦労して家を作ったのに感謝もされないので悔しがって泣く。すると、そこへゾウがやってきて・・・

 子どもたちはお話よりも絵に興味があったみたい。

 

『どんどん どんぐり』

どんどん どんぐり! (エコ育絵本 ちきゅうのなかまたち)

 写真と説明が満載の科学絵本。Oさんは全部読むのではなく、抜粋して読んでいたようだ。それでも結構長くて説明的な文が続くので、子どもたちは最後の方では飽きてざわついてきた。前の方の一部の子はそれでも食いついて一生懸命見ていたのだが、後ろの方からは写真もよく見えなかったから飽きてしまったのだろう。

 

『この正直者め!』

 ここで私に交代。しっかり顔を見て素話に入る。「きっちょむさんって知ってる?」と聞くと、誰も知らないとのこと。「昔の人だよ」というと「坂本龍馬?」「伊達政宗?」などと知っている”昔の人”の名前を競って挙げてくる。

 なんとか収めて話を始めた。

 関所の悪い役人は、通行人が酒を持っていると、調べると称して必ず飲んでしまう。そこで村人たちからその役人を懲らしめて欲しいと頼まれたきっちょむさんは一計を案じる。まず、徳利に酒を入れて関所を通り、「これは・・・小便です」と言う。役人は匂いをかいで酒だと見抜き、飲んでしまう。2~3日後に、きっちょむさんはまた徳利を持って関所に・・・

 子どもたちは「小便」という言葉が出るだけで大喜び。なんなんだ、これは。役人がまんまと小便を飲まされたところでは、みんな「おぇ~」と言っていたが。

 

『はいいろこくの はいいろひめさま』

はいいろこくのはいいろひめさま

 私の大好きな佐々木マキさんの絵本。はいいろこくのはいいろひめさまは、はいいろ。そこへ赤いネコが遊びに来て・・・とどんどんいろんな色の動物が集まって出かける。

 あそんで さわいで ひがくれて・・・

のところで「どうやって帰るの?」と言った子がいた。やっぱり子どもは帰りたいんだな。でも、この絵本の最後はなんと、

 よるになったら まっくろの くろ

なのだ。

 

 20分ぐらい。

 

朝の読書タイム:4年2組(第3回)

◯ 絵本 『まんまるねこダイナ』 西村香英

◯ 絵本 『むらの英雄』 わたなべしげお/文、にしむらしげお/絵

 

 昨日と交換で、今日は4年生。担任の先生は厳しい声で用意の遅い子や別のことをしている子をたしなめていた。

 

『まんまるねこダイナ』

まんまるねこダイナ

 小さな子猫だったダイナは家族みんなに甘やかされて、すっかりまんまるのデブに。 家から出たことがなかったダイナが窓から外の世界をのぞいてみようとすると、窓が開いていて外に落ちてしまう。

 ダイナは出会ったものたちに、タヌキと言われたり、スイカと言われたりするが、自分が誰だかわからない。ダイナの自分探しはどうなるのか。

 これは、絵も大胆でおもしろいし、ちょっと考えさせられる話なのだ。でも、今品切れ中。このまま絶版になってしまうのかな。もったいない。

 

『むらの英雄』

むらの英雄 (エチオピアのむかしばなし)

 これは高学年向きだと思い、何度か読んでいるが、なかなかこの面白さを分かってもらえなかった。

 

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子どもって、転んだり、変なものが出てきたり、おかしな言葉だったり、そういうのはよく笑うのだが、この絵本のようにちょっとひねった面白さはなかなかわからないようだ。

 12人の男たちがみんな自分を数えるのを忘れて「11人しかいない」と言い出し、そもそも存在しない「行方不明になった男」について、どんどん想像をふくらませていくというおかしさ。

 ところが、今回初めて何人かの笑い声が聞こえた。嬉しかった。

 

 『むらの英雄』を読み始めて少しすると、担任の先生が何か黒板に書き始めた。私の横で。私は無視して続けたが、内心ムッとした。気が散るじゃないか。

 でも、多分先生は次の予定が気になって、じれていたのだろう。私にあhプレッシャーになり、早口で読むことになってしまった。それでも1~2分オーバーしちゃったかも。こういうのって、気まずいなあ。

 

12分? 

「なんさい」の絵本

今朝、隣のクラスで読み聞かせをしたSさんが持ってきた絵本を見せてもらった。「なんサイ?って尋ねていくダジャレの絵本だよ」というので、私は一瞬、別の絵本を思い浮かべた。正直言って、私が受け入れがたいやつ。

 

『いま、なんさい?』 ひがしちから

いま、なんさい?

 今日が5歳のお誕生日のゆきちゃん。みんなに知ってほしくて、「わたしは、いま、なんさいでしょうか?」と聞いて回る。

 でも、大人達はわざと「はくさい」「ぼんさい」「おならくさ~い」などとダジャレでからかう。

 それがおもしろいのかもしれないけれど、私はゆきちゃんがかわいそうでたまらなかった。1回ぐらいなら笑って済ませるのかもしれないけど、ここまで執拗にはぐらかされると・・・。ゆきちゃんは真剣なのに、大人がイジメているような感じ。結局ゆきちゃんは泣いちゃう。最後に「お誕生日おめでとう!」って種明かしされても、(私がゆきちゃんなら)その前の悲しみは上書きされないと思う。

 それでも、この絵本は大人にも子どもにも喜ばれているらしい。私は、好きになれない。

 

 Sさんが持ってきたのは、それとは違う絵本だった。

『ママ、なんサイ?』 越智あやこ/文、丸山誠司/絵

ママ なんサイ?

 これは、女の子がママに歳を尋ねる話。ママは答えたくないのだろう、ダジャレではぐらかすのだが、そのダジャレには、ちゃんとストーリー性があっておもしろいのだ。

 幼稚園から帰ってきた場面から始まり、お母さんは料理しながら「てんサイ」(料理の天才なんだね)と答える。でも、その後「こげくサイ」って焦がしちゃうし、「かつしかほくサイ」で浮世絵の波が出てきたと思ったら、次はその波でサーフィンをして「はくしゅかっサイ」だって。そんな風に、女の子も一緒にダジャレの世界で大冒険しちゃうのだ。

 最後の場面では、ママがこっそり耳打ちしている絵があり、ああ、ここでホントの歳を教えてるのだなと思う。

 私はこの絵本は大好き。

 

朝の読書タイム:5年2組(第2回)

◯ 絵本 『わたしのせいじゃない ーせきにんについてー』 レイフ・クリスチャンソン/文、ディック・ステンベリ/絵、にもんじまさあき/訳

◯ 絵本 『からすたろう』 八島太郎

 

 今日は4年生の予定だったのでいろいろ悩んで選書してきたのだが、今朝行ってみると突然「明日と交換で、今日は5年生お願いします」と言われてしまった。え~っ?!と思ったが、気がついたら「はい、わかりました」と答えていた。

 いつものように2階の図書館に寄ってみる。「新しい本」のコーナーに目を引く絵本があった。その場で読んでみると、絵本なのに内容はかなり重くて深い。これ、今日どうかな?というわけで、急遽お借りして5年生に読むことにした。

 教室に入ると、さすが5年生、落ち着いて席に着き、姿勢もいい。

 

『わたしのせいじゃない ーせきにんについてー』

【大型判】わたしのせいじゃない せきにんについて

 これは、20年読み継がれているもので、今回新装版が出たのだそうだ。絵も文もシンプル。

 一人の男の子が泣いている。クラスの子どもたちはそれぞれ「わたしはしらない」「おおぜいでやってたのよ ひとりではとめられなかった」「ぼくもたたちた でも ほんのすこしだけだよ」と責任逃れの言い訳をする。

 そして、最後に実際に世界で起こった恐ろしい悲しい出来事の白黒写真。

 みんなシーンとして聞いていたけど、どう感じたのかな。朝、一日の始まりにこんな重い絵本はふさわしくないのかもしれないけれど・・・。

 

『からすたろう』

からすたろう

 これは、ずーっと昔の、実話を元にした絵本。まだみんな着物を着て学校に通っていたころ。

 1人の風変わりなチビの子がいた。みんなに「うすのろ」とか言われ、いつもひとり除け者にされていた。

 でも、6年生になったとき、いそべ先生が担任になり、チビに大きな影響を与える。

 この話もテーマは似ていて重いけれど、ハッピーエンドなので、良かったと思う。

 普通なら、口直し(?)に定番絵本を一冊読むところなのだが、今日は時間切れでこのまま終わり。

 

 10分。

藤本ともひこさん講演会

「いただきバス」などのバスシリーズや「ねこときどきらいおん」「バナーナ」などで有名な絵本作家、童話作家、作詞家、あそびうた作家の藤本ともひこさんの講演会。・・・というより”絵本ライブ”と言うべきか。

 

 忘れないうちに内容をまとめておこうと思う。

 

 藤本さんは、1991年に講談社絵本新人賞を受賞して絵本作家デビュー。その後10年は公務員として勤めながら絵本作家を続けた。退職してからは保育園に週4日造形あそびの指導をしに通う。そこで絵本を集団で楽しむということを知った。

 

★絵本『バナーナ』(ギターと歌で)

www.youtube.com

 生で聴くとなおさら楽しい。「歌って読み聞かせをしたい方、公式動画がありますから、それをみて真似して歌ってくださいね」とのこと。

 

 今も3つの園に通っていて、朝の15分間絵本の読み聞かせをしている。すると子どもたちの反応が直接分かるので、それが強み。「何を望まれているか」を考えてかいた最初の絵本が『いただきバス』

 

★『いただきバス』

いただきバス (チューリップえほんシリーズ)

 藤本さんは、大型絵本(かなり重いのに)を持って、場面に合わせて揺すったり回したり、ダイナミックに読み聞かせをしていた。時々アドリブも入る。

 読み聞かせ正統派の人たちで「感情を入れすぎず淡々と、書いてあることを一字一句変えずに読むべき」という方がいらっしゃるが、それは絵本次第だ。目の前に入る子どもたちが楽しめる読み方、その絵本にとって一番いい絵本の読み方というものがある。絵本の中にはこのようにふざけて読んでいい絵本もある。一冊一冊を大切に。

 『いただきバス』を大切にする=ふざけて読む

 例えば『スーホの白い馬』などはふざけて読んではいけない絵本。絵本に寄って違うのだ。

 白い絵本を出版社からもらって、それに手がきで絵本にし、保育園の子どもたちに読んで聞かせて反応を見る。

 アイディアを書き留めたスケッチブックやメモノートが段ボール箱いっぱいある。そのうちのほんの一部が本当の絵本になる。

 

★『ばけばけはっぱ』

ばけばけはっぱ

 構想8年、撮影1日。「写真絵本は売れない」というジンクスが出版界にあって、写真絵本はほとんどない。これは多磨霊園で撮影した。

 これは参加型絵本で、子どもたちに「ふう~」と息を吹きかけてもらって余計な葉っぱを飛ばすと、隠れている動物などが現れるようになっている。「その動物も葉っぱでできているんだから、ホントはそれも飛んじゃうはずなんだけどね」

 ブタが隠れているところではもう「ブタ~」と答えがすぐ出るので、「じゃあ、もうブタってわかっちゃったから、ブーって飛ばそう」と言って、みんなが「ブー!」っとやると、「うわっ、ツバかかっちゃった!」と拭う真似をする藤本さん。これがまた笑いを誘う。

 

★『ねこときどきらいおん』

www.youtube.com

 CDの歌を流し、歌いながら踊って『ねこときどきらいおん』。これはEテレの「おかあさんといっしょ」で時々やっているもの。

 藤本さんの大げさな身振りと表情で楽しくなる。

 かつて、これについてテレビ局に電話が来て、「ねこ→ライオンさる→ゴリラ、というのは同じ種類の仲間だからわかるけど、なぜその次が、パンダ→ひるねなのか?おかしいじゃないか。パンダ→くまとかにするべきでは?」と言われたことがある。でも、子どもはそんなことは言わないで楽しんでいる。

 実は、4コマ漫画と同じように起承転結で作ってある。「転」が「パンダ→ひるね」で、「結」がフグの破裂。

 西本鶏介先生に「藤本くんの頭の中は幼児だ」と言われたことがあるが、それは褒め言葉として受け取っている。自分としては小学2年生ぐらいだと思っているのだが。

 

 ❤質問❤ 絵本作家を目指しているので、アドバイスを。

  まず図書館の絵本を全部読む。いろいろな芸術に親しみ、アンテナを張る。自分を信じて最後まで書ききる。100冊ぐらい書いて、そのなかで一番いいものを出す。思っているだけではダメ。実際にやらなければ。

 

 家の中に幼児がいる期間はほんの6年ぐらい。それを楽しまなきゃ損。そのときに一緒に楽しんでもらえるものを僕は作ろうとしている。

 

★『こんなかいじゅうみたことない』

こんなかいじゅうみたことない (えほんをいっしょに。)

 この絵本は、初めて見たが、すっかり魅せられてしまった。他の何人かも「あれ、いいよね。欲しくなった」と言っていた。

 怪獣の子どもは静かに絵本を読んでいたり、部屋をきちんと片付けていたり、靴を揃えたりすると、親に怒られる。それがまた、普通の人間の親の言うことと正反対なので、おかしくて笑える。

 しかも、手に負えないということでその怪獣の子は保育園に預けられてしまう。そこには、ちびっこ怪獣(人間の子ども)たちがいた。

 子どもたちからも親たちからも「あるある~」「わかる~」と共感を得られて、楽しいお話だ。絵もかわいい。

 

★『だじゃれ十二支』

だじゃれ 十二支

 これは、ギターを弾きながら歌ってくださった。楽しくてノリノリだ。

 「文・中川ひろたか、作曲・中川ひろたか、僕は絵を描いただけです。

 この歌で十二支はバッチリ覚えられそう。ダジャレの内容は、幼児には少し難しいものもあるので、小学生ぐらいがいいかも。

 

 僕の強みは子どもとの付き合いがあること。卒園していくこの夢を後押ししたい。漠然とした夢では届かないから、その夢と現実の隙間を埋める絵本を書いた。それは職業について、子どもにもわかるように、でも説教臭くなく、背中を押すようなもの。

 作詞を始めてから、誰かと共同作業でものづくりをする面白さを知った。思いがけない化学反応が起こったときがおもしろい。

 

 時間を見てびっくり。1時間半経ってしまったなんて信じられないほど、あっという間だった。ほんとに楽しい時間だった。

朝の読書タイム:2年3組(第2回)

◯ 絵本 『ぼくのかわいくないいもうと』 浜田桂子

◯ 絵本 『わるわるイッサイ』佐々木マキ

◯ 絵本 『かぞえうたのほん』岸田衿子/文、スズキコージ/絵

 

 椅子を動かして見やすい場所に移動してもらうと、ちょうどいい具合に集まってくれた。

 

『ぼくのかわいくないいもうと』

ぼくのかわいくないいもうと (絵本のおもちゃばこ)

 「妹のいる人?」と聞いてみると、結構手をあげた。「オレ、弟いる!」「僕が弟!」「お兄ちゃんがいる」などと、一斉に申告し始めたので、早めに打ち切って、この絵本を読むことにする。

 すごいおしゃべりですごいでしゃばりな妹。学校でもかまわず絡んでくる妹を鬱陶しく思っている、主人公の「ぼく」。でも、ある日・・・

 妹が校長先生や、「ぼく」の友達に、すごいおしゃべりする場面では笑いが起こった。「妹あるある」なんだろうな。

 とっても楽しい絵本で、子どもたちも大喜びだった。

 

『わるわるイッサイ』

わるわるイッサイ

 私の大好きな佐々木マキさんの絵本。お得意のブタや女の子の「きのこちゃん」が登場する。

 乱暴で悪いサイの「イッサイ」を懲らしめようと、きのこちゃんが一計を案じる。うまく行ったかと思いきや・・・

 子どもたちはすぐにお話にのめり込んできた。そして、崖から落ちるかと思ったイッサイが、マントで飛んで行くところでは大笑い。最後の場面ではすぐに「あ、あそこにいる!」とイッサイを見つけた。さすが子どもはちゃんと絵を「読んで」いる。

 この絵本も大盛り上がりだった。

 

『かぞえうたのほん』

かぞえうたのほん (日本傑作絵本シリーズ)

 最後は定番絵本で。「あ、それ、好き!」と声が上がる。

 何度も読んでいる絵本なのだが、それでも笑いが起こるノリの良さ。特に「へんなひとかぞえうた」に入るときは「わーい」と喜びの声が出ていた。

 

 終わって教室から出ると、後ろから「あーおもしろかった」というつぶやきが聞こえた。そういう言葉が何より嬉しい。

 

 13分ぐらい。

今年度11回目の児童館おはなし会

Oさん◯ 紙芝居 『おいしいおかゆ』堀尾青史/脚本、井上洋介/絵

Oさん◯ 絵本 『さとうとしお』 製糖工業会・日本塩工業会/監修、古島万理子/写真

私    ◯ 素話 『お化けキノコ』

私  ◯ 絵本 『ぱくぱく はんぶん』 渡辺鉄太/文、南伸坊/絵

 

 日が短くなってきたが、まだ外で遊んでいる子どもたちが多かった。4時に集合してもらって、数えたら54人。すごいなあ。

 

『おいしいおかゆ

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 昨年お亡くなりになった井上洋介さんの絵。私はとても好きだったので、訃報を聞いたときは悲しかった。

 これは有名なグリム童話で、単純な話だが人気がある。絵本や紙芝居で何種類か出ているはず。私は素話で語ったこともある。

 Oさんは、とても上手に演じていた。特におかゆの止め方がわからずに焦っているお母さんのセリフは絶妙。子どもたちも興奮していたようだ。

 

『さとうとしお』

さとうとしお (しぜんにタッチ!)

 これは大ヒットだと思う。写真で語る科学絵本だが、おもしろい。私でも知らなかった砂糖と塩の知識が詰まっていて、子どもたちも目を見張っていた。

 砂糖をフライパンに入れて火にかけると溶けて飴色になって変化するが、塩はまったく変わらない。砂糖はコップいっぱいの水に1kgも溶けるが、塩は無理。砂糖と塩の作り方もわかりやすく説明されている。最後に砂糖・塩を使った食べ物の写真がいっぱい出てくると、子どもたちは大興奮していた。

 

ここで私に交代。

『お化けキノコ』

 大興奮の子どもたちをなんとか落ち着かせて、素話をした。これは2年前に語ったものだが、覚えている子はいなかった。あの頃の子はもういないのかな。

 手の形のお化けキノコが襲ってくるところは、私の手を使って思わず演じてしまった。子どもたちは「ひゃあ~」とか言っていた。結局、味噌汁をかけて退治するのだが、「味噌汁、無駄じゃん」と言う子もいたりして。まあ、食べ物を粗末にする(食べずにお化けにかけちゃうわけだから)のに抵抗があるんだろう。

 そして、前にお化けに食べられた人たちの骨が出てきた場面では、ちょっと怖そうにしていた。「骨どうなったの?」と何度も聞いたりして。

 

『ぱくぱく はんぶん』

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 これは8ヶ月前に今の2年生の1クラスで読んだのだが、多分覚えていないだろうな~と思って、持ってきた。

・・・のだが、数人の男の子たちが「それ、知ってる~」「どんどん食べて小さくなっちゃうんだよ」「次に犬が食べるんだよ」などと抑えきれずに口に出すので、ちょっと困った。気持ちはすごくよくわかる。でも、我慢してね。それにしても、内容までよく覚えていてくれたものだ。それはちょっと嬉しかった。
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  それでも、少し話が進むとおとなしくなったのでホッとした。

 途中、「半分じゃないじゃん」と言う子もいたので、意味がわかっているのかな?と不安になり、全部読み終わってから「一番いっぱい食べたのは誰かな?」と聞いてみた。すると一斉に「じじい!」「おじいさん!」と正解が出て、感心した。

 30分。