◯ 絵本 『さるとわに』 ポール・ガルドン/作、きたむらよりはる/訳
◯ 絵本 『こんにちワニ』 中川ひろたか/文、村上康成/絵
今年度初の読み聞かせに行ってきた。1年1組の担任の先生は読み聞かせを一緒に楽しんで盛り上げてくださる先生だったが、ご病気で3学期いっぱいお休みになるとのこと。代わりに若い先生がいらっしゃっていた。私とは初顔合わせなので、一応ご挨拶をした。
『さるとわに』
今年は申年なので、サルの絵本を選んできた。これは長めのお話。家で練習した時には8分半だったのだが、教室で読んだらほぼ10分全部使ってしまった。びっくり。
優しいタッチだが迫力もあるガルドンさんの絵は読み聞かせにはとても良いと思う。
お話は、日本の昔話でも聞いたことがある2つの話をつなげたようなもの。サルを食べようとして策を練るワニと、それをうまく出し抜くサルの知恵比べ。
結局はサルが勝つのだが、聞いている子どもたちはサルとワニのどちらに感情移入するのだろうか。話の始まりはワニなので、主人公はワニのようだ。でも、サルをだまして食べようとする悪役とも言える。サルはかしこいので、ワニの上を行く嘘でうまく逃げ出すが、その後もそれほどひどい言い方はしない。
ワニの背中に乗って島に渡ろうとしたサルが、ワニのたくらみを知って
「きみが ぼくを たべたいって さきに いってくれたら、 ぼくは ぼくの しんぞうを もってきてやったのにさ」
とだますのは、他の昔話でも聞いたことがある。でも、その嘘を信じたワニが、心臓を取りに行かせるために、また元の木に戻って、サルに逃げられてしまう場面で、よくあるのは
「ばかなやつ。体の中にあるものを取り出して干せるわけないだろ!」
などと相手を侮辱する言い方なのだが、この本では
「ほしかったら きてとるといい! とれるものなら とってみろ!」
という程度。それほど憎らしくはないのだ。
子どもたちはシーンとしてよく聞いていた。もうすぐ2年生になるんだものね。長いお話でも大丈夫。
『こんにちワニ』
本当はもう一冊別の絵本を用意していたのだが、思いのほか時間がなかったので、定番の『こんにちワニ』にした。
「あ、知ってる」と嬉しそう。「覚えてる子は一緒に言ってね」と言ったが、実際に声を出してくれる子はそれほど多くはなかったな。
それでも、締めの一冊としてはバッチリだった。
10分。